広島平和記念資料館には、1945 年に広島が経験した原爆投下に関する書類や資料が展示されています。資料館は、それを通して、原爆被害の悲惨さを伝えるとともに世界平和へのメッセージを送っています。1955 年に完成した広島平和記念資料館。原子爆弾の影響について、政治的、歴史的、社会的観点から説明しています。また、被爆者の体験談や犠牲者の遺物、科学的記録などによって、原爆の恐ろしさも伝えています。しかし、資料館が一番伝えたいことは、世界平和への願いと核兵器のない世界の実現です。
資料館は広島平和記念公園の主要施設の 1 つ。この現代的な建物のデザインは建築家の丹下健三氏によるものです。まずは西側にある本館から見てみましょう。ここには、爆弾による被害に特化した展示がなされています。街の被害に関する資料に加え、個人の衣服や持ち物など、人間への被害が分かる資料も多数陳列されています。中には、石や金属など、材質による被害の違いが分かる展示も。原爆が落とされたあと、黒い雨が降りました。この雨には放射能物質が含まれていたため、雨に直接打たれた人も被爆しました。そういった被害についても言及されています。また、別のセクションでは、現在も続く地元社会への影響についても触れています。
新しい東館には、写真パネルや生存者のインタビュー、核兵器の破壊力に関する要人の証言などを用いて、政治的、歴史的観点から見た原爆について多角的に展示されています。このセクションによって、国際社会に平和と核兵器の全廃を訴えています。
広島平和記念資料館は、広島平和記念公園の南端にあります。年末の数日間を除き、夕方まで開館。観覧料が必要です。数か国語による小冊子が用意されています。最寄りの路面電車の駅は原爆ドーム前。バスの場合は平和記念公園で下車しましょう
人体に与える影響についての展示の中には、壮絶すぎて目を背けたくなる写真等もあるかもしれませんが、それは実際に起きたこと。起きたことを忘れてはならない、また、二度と同じような悲劇を起こさせてはならないという、広島の訴えに、ぜひ耳を傾けてみてください。資料館で少し衝撃を受けたあとは、広島平和記念公園を歩きながら、心を落ち着かせましょう。