カナダ戦争博物館は戦車や大砲、戦闘機などを間近に見て、カナダの戦争の歴史を学ぶ場所。絵画や写真、勲章に軍服、個人の体験談などの記録を目にすると、戦争がもたらす犠牲の大きさを感じずにはいられません。
博物館の膨大なコレクションは年代順に 4 つのギャラリーに分けて展示されています。最初のギャラリーは 1885 年以前のカナダの戦いの歴史がテーマ。石斧や弓矢などの史料が並んでいます。
2 つ目のギャラリーでは、第一次世界大戦時、塹壕での生活を強いられた兵士たちの様子を展示しています。ボーア戦争や第一次世界大戦の戦略を取り上げたコーナーも。動物を使って物資を輸送したり指令を伝達していたことなどは、あまり知られていない事実です。
第二次世界大戦のみを取り上げたギャラリーには、アドルフ ヒトラーがパレードで乗った装甲仕様の黒いメルセデス ベンツが展示されています。4 つ目のギャラリーは冷戦と平和維持活動、そして近年の戦争について伝える展示が中心です。
メモリアル ホールにあるのは第一次世界大戦の身元不明兵士の墓石。ほかには何も展示されていません。1918 年、戦争が正式に終結したとされるカナダの戦没者追悼記念日の午前 11 時になると、ホールの窓から墓石に日の光が差し込みます。
博物館を出たら、外から建物を眺めてみましょう。植物に覆われ、ピース タワーに向かって傾斜している屋根は、戦争の後に再生する自然の力を表しています。窓の配置にも注目を。モールス信号を使って「Lest we forget (追悼)」を意味するカナダ英語とフランス語が記されています。
カナダ戦争博物館はオタワのダウンタウンとパーラメント ヒルから徒歩で約 5 分。公共交通機関でもアクセスしやすい場所にあります。車の場合はメーター付き駐車スペースを利用できます。
博物館は毎日開館。祝祭日は閉館する場合もあります。開館時間は季節によって異なるため、博物館のウェブサイトをチェックしてから出かけましょう。入場料には常設展と特別展示の料金が含まれています。シニア、学生、子どもには割引があり、木曜日の夜は一般入場料が無料になります。