ボルチモアは、アメリカ大西洋岸にあるチェサピーク湾に位置するメリーランド州の主要都市です。1729 年に港と造船の街として作られた後、製造業と貿易の中心地として大いに栄えましたが、1970 年代以降はその産業の街というイメージを変えようと再開発が行われてきました。中でもインナー ハーバーは観光地化が進み、今は文化の中心地としてにぎわい、景色も美しいことから撮影スポットとしても人気を集めています。
地元の人に親しみをこめて「チャーム シティ」(魅力的な街) と呼ばれるこの街の中心地には、ハイセンスなオフィスビルや高級ホテル、一流の博物館や家族そろって楽しめる観光名所が集まっています。市内観光を始めるにはまずインナー ハーバーにある観光案内所へ行き、お得なスリー デー パスを購入しましょう。このパスがあれば一部の観光名所や交通機関を割引料金で利用することができます。
インナー ハーバーはコンパクトなウォーター フロント エリアで、博物館やレストラン、子ども向けの名所が密集しているのでゆっくりと散策してみましょう。中でも必ず訪れたいのは、国立ボルチモア水族館と、米艦船コンステレーションなどの歴史的な戦艦が見学できる海事博物館です。戦争にまつわる逸話について知りたければ、マックヘンリー要塞へ向かいましょう。200 年ほど前にここに掲げられた勝利の旗がきっかけで今のアメリカ国歌が誕生したという、歴史的な場所です。
インナー ハーバー以外の場所にも有名な見どころがたくさんあるので、ぜひ足を延ばしてみてください。特におすすめなのは、マチスの作品を擁するウォルターズ美術館やナッシュビル動物園です。他にもボーディ ヴィンヤーズでおいしいワインに舌鼓をうったり、B&O (ボルチモア アンド オハイオ) 鉄道博物館でアメリカ初の旅客鉄道に乗ったりと、どれもすばらしい思い出になること間違いありません。
インナー ハーバーはコンパクトなエリアなうえ、公共の交通機関も充実しているので快適にたやすく観光することができます。チャーム シティ サーキュレーターという無料のシャトルバスも 10 分ごとに運行されているので、ご活用ください。港沿いに建つ博物館に行くなら、すばらしい景色も楽しめる水上タクシーがおすすめです。
ボルチモアは山と海に囲まれているため、春と秋は過ごしやすく、冬は北部の街にしては寒さが厳しくありませんが、夏はジメジメと蒸し暑くなる傾向にあります。
同じく東海岸に位置するワシントン D.C. やニューヨーク、フィラデルフィアほど洗練されているわけでも都会的なわけでもありませんが、質の高い博物館や歴史的名所が集まり、地元の人が快く歓迎してくれるボルチモアは、一度は訪れる価値のある魅力的な街です。