19 世紀のサン フランチェスコ ディ パオラの宗教的芸術作品の数々、かすかに光沢を帯びた大理石の内装、そして円柱のファサードを見て歩いていると、人のいないローマのパンテオンを見学しているような錯覚にとらわれます。 大きな公衆広場、ピアッツァ デル プレビシートに歩み入ると、白い小石でパターンを描いた小石細工があります。ここですぐに視線が釘付けとなるのが、広場の西側にある曲線的なファサードの教会で、30 以上の列柱が広場を半円形に囲むように並ぶ中に中央聖堂があります。丈高い列柱が 6 本、標柱が 2 本で三角形をなした柱廊式玄関を細部までじっくりとご覧ください。この聖堂はローマのサン・ピエトロ大聖堂を模して設計されています。 中に入ってローマを思い起こしながら観察すると、この模倣性がいっそう強く感じられます。かすかな光沢を帯びた白亜の大理石でしつらえられた内装は広々としており、パンテオンをモデルにしています。つややかなラピスラズリを象嵌した祭壇をゆっくりと眺め、必ず上を向いてみてください。53 m (174 フィート) の高さがあるドームにも同じ象嵌が無数にちりばめられ、そのまま中央の窓に目をやると、この窓から差し込んだ光が教会内を満たしています。 宗教芸術に関心のある人は、展示された彫刻や絵画が興味深く、つぶさに見て回りたくなります。何人かの聖人を彫った彫刻、後期バロック時代に人気を博したナポリの芸術家ルカ・ジョルダーノの手になる絵画、1641 年から伝わる祭壇飾り。 サン フランチェスコ ディ パオラ教会は、ナポリのメイン広場である、歩行者専用のプレビシート広場にあり、港からも近い場所にあります。広場の近くにはバスやケーブルカーが止まり、交通至便です。教会は内部への立ち入りが無料で、毎日開いていますが、午後早い時間帯は数時間だけ立ち入り禁止の時間帯があります。鑑賞は 30 分ほどで終わるのが標準的ですが、広場から眺めてその姿を目に焼き付けておきたいと感じる人もいます。