ナショナル ミュージアムはリマ最大の博物館です。ペルーの先コロンブス期の遺産が数千点も所蔵されていて、この地域に人類が住み着いてからスペイン人に征服されるまでの長い期間全体を、途切れることなくたどることができる、考古学、科学、教育の殿堂です。豊富な展示の中で特に目を引くのは、暴動の惨状を生々しく記録した写真、古代文明の芸術作品、墓室のレプリカです。神殿のミニチュア模型、石に施された彫刻、さまざまな特別展が複数のフロアと展示室にわたって公開されています。
博物館の正面はコンクリート製の見事なファサードを備え、格好の被写体です。建物の構造は、さまざまなパーツが飛び出す、革新的というかアナーキーなデザインになっています。常設展の「光り輝く道」は胸に迫るモノクロ写真のコレクションで、一連の痛ましい写真を通じて、度重なる内乱で市内が荒廃した時代の様子が紹介されています。リマ市民がもがき苦しみながら乗り越えた戦いについて知ることができます。この展示は、お子さまには刺激が強すぎるかもしれませんのでご注意ください。
先コロンブス美術のコレクションはおすすめです。ナスカ、モチェ、ワリなどの古代文明が生んだ陶器が並び、この博物館の目玉にもとなっています。特別展の内容も確認しておきましょう。多くの場合、特別展は追加料金を払って観覧することになります。
その他の外せない見どころとしては、アンデス山脈の山あいで発展したチャビン文明を代表するランソン像、シパン王の墓室レプリカ、迫力ある「反対一揆」の壁画などがあります。
この博物館のスペイン語名は "ムセオ デ ラ ナシオン" (国民の博物館) です。博物館が入る建物は、以前は水産省でした。少額の入場料がかかりますが、子ども割引や学生割引があります。毎週月曜日は全館休業ですが、その他は毎日朝から夕方まで開館しています。
ナショナル ミュージアムはリマ南部にあり、リマの市営地下鉄で、博物館のすぐ右隣にあるラ クルトゥラ駅まで行くのが便利ですが、ハビエル プラド通り沿いにはバスの停留所もたくさんあります。リマの市街中央部からタクシーを利用する場合、8 km (5 マイル) ほどの道のりとなります。