13 世紀に建造されたウルシーノ城。素晴らしい絵画や考古学コレクション、さらにバロック様式の壁画などの見どころにあふれています。要塞、王族の居城、はては牢獄として利用されていた古城の歴史を学び、エトナ山の噴火によって移動した建物の構造を眺めてみましょう。
ウルシーノ城は、1239 年、カターニアがシチリア王国の首都だった時代に、町を見渡す沿岸に建造されました。四角形を基盤に円柱形の小塔が四隅に置かれた壮大な構造で、エトナ山の噴火により何メートルも移動してしまったものの、当時の姿をそのまま残す数少ない建物のひとつです。南側から押し寄せた溶岩流が、沿岸から 500 m の地点までこの城を押し流し、現在の立地になったのです。
フェデリコ セコンド ディ ズヴェーヴィア広場に立ち、4 つの円塔を見上げてみてください。城の周囲を回ると、さらに小さな円柱形の塔が 4 つあることが分かります。かつては堀があったこの部分は現在、エトナ山の噴火による溶岩流で覆われています。
表口から入城したら、古書の図書室へ。ヨーロッパ全域から収集された、キリスト文学の膨大な初版コレクションが収められています。宗教画で埋め尽くされた美しい天井画も必見です。
絵画館では、14 世紀にまでさかのぼる芸術作品を鑑賞できます。中でも、アントネッロ ディ サリーバの玉座に乗った聖母子像や、ピエトロ ノヴェッリによる聖クリサントの肖像画が有名です。また、城の内部に収蔵されているのはビスカリ王子の考古学コレクション。ギリシャ神話の場面を鮮やかに描いた古代のつぼやモザイクが見ものです。イタリア最大の稀少な硬貨コレクションや、現地の芸術家たちが手がけたカラフルなシチリアの山車なども展示されています。
敷地内を散策しながら、何百年も無人のこの城にかつて居住していたシチリアの兵士たちや貴族、囚人たちに思いを馳せてみましょう。塔に登れば、市街地の眺望を楽しむことができます。
ウルシーノ城は、カターニアの中心地にあります。毎日開館しており、入場は無料です。