フィレンツェとローマの建築に対する敬意の念が感じられる盛期ルネサンスの宮殿。ロココ様式の豪華な王宮を見学しましょう。
歴史上有名なポツダムにあるオランジュリー宮殿は、心奪われる美しいルネサンス様式の大邸宅です。宮殿の翼部にある伝統的な温室も見学できます。19 世紀半ばにプロイセンのフリードリヒ ヴィルヘルム 4 世の命により建てられた宮殿は、初めの計画では宮殿の前に壮大な道路を造る予定でした。しかし、道路が完成することはありませんでした。当時の政治的不安により、オランジュリー宮殿とその凱旋門だけが完成したのです。この 2 つの建造物から、その時代の豪華な設計様式と「玉座のロマン主義者」と呼ばれたプロイセン王の好みが見て取れます。
宮殿に近づいていくと、2 つの塔が対称形をなしている建物が見えてきます。宮殿のデザインは、ローマのヴィラ メディチやフィレンツェのウフィツィ美術館をほうふつとさせます。プラント ホールの外観を見渡したら、建物の壁がん内に置かれている寓話像に目を凝らしながらこの別館の建物に沿って歩いてみましょう。これらの像は季節と月を表しています。
建物の壮麗な柱廊式玄関を入ると、広々としたラファエロ ホールがあります。自然光の差し込むミュージアム ホールは、赤い絹で覆われた壁一面に 50 枚のルネサンス絵画の複製がずらりと飾られています。マラカイト ルームでは、装飾美術や彫刻を鑑賞できます。
丹精込めて手入れされた庭園を愛でながら宮殿の敷地を散策。ルネサンス様式のパラダイス ガーデンは 19 世紀半ばに造られ、エキゾチックな植物と美しいアトリウムが特徴です。現在ポツダム大学が管理している植物園やノルウェー ガーデンのマツの木も見てみましょう。シシリアン ガーデンは南に向かって伸びていて、ギンバイカやゲッケイジュに噴水も配されています。
オランジュリー宮殿は、華麗な宮殿が集まるサンスーシ公園の北側部分にあります。ポツダム中央駅から路線バスとトラムを利用すれば 20 分もかかりません。オランジュリー宮殿は季節によって営業時間が異なります。冬季は休業。4 月は週末のみ開館します。5 月から 10 月は月曜日が休館日です。祝日や週末には自由に見学できますが、その他の期間はガイド ツアーに参加する必要があります。オランジュリー宮殿への入館は有料です。