モーツァルト広場は、1756 年にザルツブルグで生まれたオーストリアが世界に誇る作曲家、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトに捧げられた広場です。広場の中央にはドイツ人彫刻家のルートヴィッヒ・シュヴァンターラーが手掛けたモーツァルトの像が建っています。この印象的な像が建てられたのは 1842 年。『フィガロの結婚』や『魔笛』など古典作品を数多く残した大作曲家がこの世を去って 50 年余りが過ぎたころでした。現在、モーツァルト広場はザルツブルグ屈指の人気観光地としてにぎわい、旧市街を回るツアーの出発点としてもぴったりの場所です。広場の周りにはモーツァルトの生涯に深い関わりのあるものが集まっています。中でも必ず訪れたいのが、マカルト広場 8 番地にあるモーツァルトが暮らしていた家です。ここにはモーツァルトの妻コンスタンツェ・フォン・ニッセンを称えた記念プレートが飾られています。彼女はモーツァルトの像が建てられる直前に亡くなりました。モーツァルト広場 4 番地にあるのは、ザルツブルグ大学の音楽院です。モーツァルトと親交の深かったアントレッター家の名前を取って、アントレッター ハウスとも呼ばれています。広場に立って見上げると、17 世紀に作られたグロッケンシュピールを冠した時計塔が目に飛び込んできます。この歴史ある音楽時計は今も、日に 3 度美しい鐘の音を聞かせてくれます。たくさんの人がメンヒスベルクの丘を背景にしてこの時計塔の写真を撮ります。ぜひカメラを忘れずにお持ちください。広場には数多くのカフェが軒を連ねていて、そのほとんどにテラス席があるので、疲れたら一休みしましょう。席は一番外側がおすすめです。ケーキやコーヒーを味わいながら大道芸人のパフォーマンスを楽しむことができます。新レジデンツの中にあるザルツブルグ博物館も忘れずに足を運んでください。ここの目玉は、有名なオーストリアの画家の作品を集めた「ゴットフリート・ザルツマンの間」です。「子どもの世界展」では小さなお子さま向けのインタラクティブ ゲームが楽しめるので、ぜひご家族でお越しください。ザルツブルグ博物館は月曜日が休館です。 広場から伸びる石畳の通りの配置は、中世のころのまま変わっていません。その代表例がプファイファー通りです。この通りの界隈はかつて芸術家や音楽家に人気のあった住宅地で、1839 年にはオーストリアの画家セバスティアン・シュタイフが 4 番地に移り住みました。 モーツァルト広場はザルツァッハ川の西岸に広がる旧市街に位置し、ザルツブルグ中央駅からバスで行くことができます。最寄りのバス停は「モーツァルトシュテク橋 / ルドルフスカイ通り」です。このエリアの大部分は自動車乗り入れ禁止になっているので、安心して歩いて回ることができます。ゲトライデ通り沿いの主要な観光名所やレジデンツまでは、どちらも広場から歩いて 5 分ほどです。