ジェファーソン国立記念公園は、ミシシッピ川の両岸にまたがる形でセント ルイスの中心を占めています。誰もが納得する一番の目玉は、アメリカの西進とトーマス・ジェファーソンを記念する驚異のモニュメント、ゲートウェイ アーチです。基部から基部へ美しく弧を描くアーチの最高点は、地上 192 m (630 フィート) に達し、360 度どちらを向いてもセント ルイス市街の絶景が広がります。
アーチの内部にある西部開拓博物館では、セント ルイスの歴史や初期開拓者について門外漢にも分かりやすく紹介しており、この記念公園が持つ 37 ヘクタール (91 エーカー) の敷地内に建つ旧裁判所は、博物館として活用されています。
夏の午後は、この公園の川岸に広がる緑のスペースに市内外から大勢の人々が集まります。この公園は、アメリカ政府がフランスから広大な領土 (現在はカナダ国境まで食い込んで拡大) を買い入れ、西部開拓を加速させたルイジアナ買収と西部開拓者を記念する設計となっています。 セント ルイスは、初めてルイジアナに立ち入ることとなったルイスとクラークの探検の出発地で、その旅路の紆余 (うよ) 曲折は、ゲートウェイ アーチの内部にある西部開拓博物館が詳しく、ティーピーやほろ馬車をはじめ、さまざまな遺物、写真、壁画から、ルイスとクラークの冒険がイメージしやすくなっています。
公園の中央に位置する 150 年の歴史を持つ旧裁判所は、壁画のある広間とドーム屋根が目を引きます。竣工当時の状態に復元されているため、興味に導かれるまま裁判室を見学しましょう。この小さな博物館では、セント ルイスのことがよくわかるだけでなく、自由を求めた奴隷による告訴が最終的に敗訴したことから、アメリカ裁判史の汚点として知られる 1857 年のドレッド・スコット判決についても知見を広めることができます。ドレッド・スコット裁判は原告側の敗訴に終わりましたが、この判決をきっかけに、奴隷制に対して踏み込んだ議論が白熱し、結果的には奴隷制廃止に貢献することとなりました。
しっかり歴史探訪した後は、ゲートウェイ アーチの大階段下にあるディスカバリー バイク レンタルズで自転車を借り、ミシシッピ川に沿って水辺を見て回りましょう。古式ゆかしい交通手段としては、19 世紀の外輪船を再現したレプリカ船でクルージングする方法もあります。インターネットで前売りチケットを購入するか、当日空席を探してみてください。ゲートウェイ アーチの南側のたもと辺りから出発します。
ジェファーソン国立記念公園から楽に歩いて行かれる範囲には、ワシントン通りなど、ダウンタウンの主要観光名所がたくさんあります。公園内の展示はサンクスギビング デー、12 月 25 日、1 月 1 日を除いて毎日営業しており、比較的すいた時期を狙うなら、冬の間をおすすめします。春から秋の間は、必要なチケットやレンタルをすべて予約しておくと安心です。