白塗りの壁が目印のブエノスアイレスのカビルドは、街で最も重要な庁舎の 1 つです。かつて植民地行政評議会や、アルゼンチンのスペインからの独立宣言に関する重要な会議が開かれた、初代の市庁舎です。ぜひこの貴重な建物を訪れ、植民地時代の建築様式を観賞し、1810 年に起こったアルゼンチンの五月革命に関する貴重な資料を見学してください。
カビルドの歴史は、1608 年にさかのぼります。最初に建てられた建物は今よりもかなり幅の広い作りでしたが、2 本の通りを作る際、建物の一部は取り壊されてしまいました。それが、地元建築家のマリオ・ブシアッソによって、元の設計図を基に、塔や扉、窓など、植民地時代の要素が復元されたのは 1940 年のことです。列柱を配した 2 階建の建物の中央に鐘楼がそびえる作りは、建築ファンならずとも一見の価値があります。
観光客でもメイン バルコニーに出ることができ、ブエノスアイレスの主要広場である五月広場や、政府官邸のカサ ロサダを一望する絶景を楽しむことができます。カビルドの館内は、アルゼンチンの独立宣言にまつわるカビルドの歴史や出来事を振り返ることのできる国立五月革命博物館になっていて、17 ~ 20 世紀の絵画、調度品、公文書、衣服、宝飾品が展示されています。ぜひ時間をかけてご鑑賞ください。
博物館のあとは、春に美しいスミレ色の花を咲かせるジャカランダの木が木陰を作る中庭のテラスで、のんびりしましょう。1835 年に作られた、装飾の施された井戸にもご注目ください。のぞき穴をのぞくと、イエズス会が作った地下通路が見えます。
また、毎週木曜日と金曜日には中庭で手工芸品市場が開かれます。地元の商人が手作りの工芸品や現代的な作品を販売するほか、無料の音楽イベントも定期的に開催されるので、ぜひ予定を合わせてお越しください。中庭では軽食やお菓子が食べられるカフェも毎日営業しています。
五月広場の西側に隣接するカビルドは、ブエノスアイレスの中心部から歩いてすぐです。バスや地下鉄などの公共の交通機関が、カビルドの正面入り口の近くに止まります。
カビルドと博物館は、水~日曜日と一部の祝日に開いています。入館は無料です。