ワカティプ湖では、100 年の船歴を持ち、かつてエリザベス II 世女王夫妻の御座船を務めたこともある由緒ある蒸気船、TSS アーンスロー号に乗り、上質な雰囲気の漂うクルージングを体験できます。

100 年を超える長い年月、ワカティプ湖でクイーンズタウンの人々を運び続けてきた歴史ある蒸気船、TSS アーンスロー号は、ニュージーランド鉄道の依頼により、20 世紀初頭にダニーデン製の部品を鉄道経由で湖まで運んで建造されました。以来、そのまま現役船として現在に至っており、今も 1 年のうち 11 か月は、クイーンズタウンとウォルターピークハイカントリーファームをつなぐフェリー船として、またワカティプ湖の水景を堪能できるクルージング船として活躍しています。クイーンズタウンのスティーマーワーフから、日に 3 便のどれかを選び、この威風堂々とした船に乗り込みましょう。船体は 1986 年に改装されており、鮮やかな赤煙突がゆっくりと湖面を進む姿が頻繁に見られます。この改装で TSS アーンスロー号は、まさに女王陛下にふさわしい船に生まれ変わり、1990 年にはエリザベス II 世女王、エディンバラ公フィリップ王配が、この優美な蒸気船でクルージングを楽しみました。ワカティプ湖のクルージングでは、ぜひこの船で機関員たちがエンジンの炎室にシャベルで給炭する様子に目をとめましょう。出航から 90 分間、この船と地元の歴史を学びつつ、美しい景色を心に焼き付けることができるため、充実した船旅となります。船上販売を許可された売り子から地元のワインをグラスで買ってたしなんだり、持参したお弁当を甲板で広げたりしてゆったりとおくつろぎください。寄港先にそびえるウォルターピークには、羊や牛の牧畜業を営む農場があり、そこでの牧場ツアー、乗馬ツアー、バーベキューランチを組み合わせたプランもあります。ホールや船室からもワカティプ湖の景色は見えますが、最も水景が際立つのは船の最上部です。湖上の天候は不安定のため、厚手の上着と滑り止めの付いた靴をお忘れなく。就航期間中、TSS アーンスロー号は、クイーンズタウンのスティーマーワーフから毎日出ていますが、1 年のうち 1 か月は休航してメンテナンスを受けるため、滞在中に就航しているかどうかを業者に問い合わせておくのがおすすめです。乗船は有料で、ウォルターピークハイカントリーファームの体験をセットした料金も選べます。広い駐車場が埠頭 (ふとう) に完備されています。