リヴォルノのシナゴーガ エブライカは歴史上重要な場所であり、現代建築の実例であり、リヴォルノに住むユダヤ人のシンボルでもあります。もともとのシナゴーグは第二次世界大戦中に破壊されましたが、現在のシナゴーグはその精神を引き継いで、ユダヤ人コミュニティの中心として機能しつづけています。
最初のシナゴーガ エブライカは 1603 年に建てられました。17 世紀以降、リヴォルノはユダヤ人の人口が多いことで知られています。ヨーロッパでユダヤ人が迫害に直面した時代にも、リヴォルノはユダヤ人が信仰の自由を守り、財産を所有できる土地でした。リヴォルノに住むユダヤ人の人口が増えるにつれて、シナゴーグは大きく、凝った建物になっていきました。このシナゴーグの壮麗さはヨーロッパ中でたたえられており、王族や世界的指導者がたびたび訪れています。
第二次世界大戦中にリヴォルノの 90 パーセント近くが破壊されたと推定されていますが、残念なことに、シナゴーガ エブライカも例外ではありませんでした。連合国側の空襲で爆撃を受け、ほぼ全壊状態になったのです。
現在のシナゴーグの建設が始まったのは 1962 年です。建物は同じ場所に再建されましたが、希望を持って未来へ前進することを象徴するため、モダンな建築様式を全面的に取り入れています。出エジプト記にあるタバナクル (幕屋) をイメージしたデザインで、六角形の窓が並んでいます。
主礼拝堂を歩いてみましょう。壁に並んだ窓からの光が明るい、広い空間です。礼拝堂の奥に置かれている目を引く聖櫃 (ひつ) (アローン コーデシュ) はアンティーク ゴールドを用いて細工が施されています。灰色に塗られた天井には小さな光の穴が配されて、きらめく雨のイメージを演出しています。
このシナゴーグにはユダヤ人の記録保管所や、リヴォルノにあるたくさんのユダヤ人団体のオフィスが入っています。礼拝に加えて、コンサートや講演などのイベントも定期的に開催されます。
シナゴーガ エブライカはリヴォルノの中心地にあり、グランデ広場から歩いてほんの 5分 ほどです。また、新要塞などほかのランドマークも徒歩圏内にあります。