セルマン パレスの高いバルコニー ドアの上に、「R」の文字が石に彫り出されているのが見えるでしょうか。これは 1607 年に周辺の海域で捕えられて奴隷にされた人々の救済のために設立された基金、Monte della Redenzione degli Schiavi を表しています。この基金はやがて、ミストラ渓谷を静かに見下ろす淡い色の石の宮殿セルマン パレスの建設資金となりました。
セルマン パレスは要塞のように見えますが、18 世紀初期の建築当時は騎士たちの狩猟と余暇のための豪華な宿舎として建てられました。マルタのこの地域は長い間海賊の攻撃にさらされてきたので、建物も威厳があり攻撃を防御できるように見えるデザインが一般的でした。
この宮殿のファサードはかなり珍しいデザインで、ドアの上のカーブを描いた細部装飾は、威厳のあるどっしりとした枠とは対照的な形をしています。半要塞化した別荘は、さらに南のヴェルダラにある宮殿のスタイルを模しています。中央の 2 階建の塔の上にある 4 本の小塔を見上げてください。また、入り口の大きな木の扉と丸い窓の上には細かい装飾を施した小さなバルコニーが正面をぐるっと取り巻いています。建物の外を散策して、丘でウサギ狩りをしたり、海岸線を油断なく見張ったりしていた騎士たちの姿を想像してみましょう。
マルタの興味深い歴史に触れる窓口としての役目を果たしながら、塔とその裏にある塀に囲まれた広い中庭は、ホテルと宴会場という現代的な用途で今も利用されています。特に結婚式場として人気のスポットです。このホテルに滞在して、中庭のヤシの木で囲まれたプールで楽しいひとときを過ごしましょう。内装は改装されています。
セルマン パレスは、メリーハの郊外にあるセルマンという小さな集落にあります。ここの田園地帯は自分のペースで歩いて見て回るのにぴったりです。このパレスをウォーキング ツアーの出発点にして、伝統的な地方の農家を通っていくと、神秘的な無人島セント ポール島が東に見えます。さらに進むとセルマン ベイを一望できる大きな崖にたどり着きます。