カラハリ砂漠とハウテン州の肥沃な農地の狭間にある北西州は、乾燥しながらも概ねかん木に覆われた緑の大地です。そのため、この州は家畜にも野生の獣にも最適の住環境で、世界最大規模の家畜の群れが定期的に集められ、あちこちに野生生物保護区があります。特徴ある動物たちや東にある人類の祖先の考古学遺跡を見学しましょう。
州都マヒケンには、この地域の重要な歴史が詰まっています。19 世紀が終わり、20 世紀に向かおうとする頃に勃発 (ぼっぱつ) したボーア戦争中、マヒケンは包囲攻撃を受けました。街がボーア軍から攻撃を受けた 217 日間、英国軍は籠城戦を戦い抜き、ついに敵を退けて、最終的に戦争自体にも勝利しました。この戦闘などの資料はマヒケン博物館で閲覧できます。また、この戦端を開いた独立軍トランスヴァール共和国のポール・クルーガー大統領が所有していた北西州の農場の 1 つ、ブーケンハウトフォンテインをルステンブルグ東部で見学できます。
自然動物保護公園を訪ね、特に有名なアフリカの動物と触れ合いましょう。ハートビエスポールト ダム ゾウ保護区では、おとなしいゾウに触って親しむことができ、66種類の哺乳動物を保護するマディクウェ自然保護区では、日中または夜間のドライブで動物たちを観察できます。ピラネスバーグ国立公園は、55,000 ヘクタール (136,000 エーカー) の敷地の中に自然保護区や死火山のクレーターの一部を備えた自然公園です。熱気球に乗って、空中から緑の丘陵地を眺めることもできます。
考古学上の重大資料の多くは、北西州地域で発見されました。例えば、欠損部のないアウストラロピテクスの頭がい骨「タウングの子ども」の発見現場は、州南部の町タウングの近くです。発掘現場では、この発見を記念した資料館を見学できます。考古学ファンには、ハウテン州東部にある重要考古学発見現場「人類のゆりかご」もおすすめです。
北西州の少し東にはヨハネスブルグがあるため、北西州へはヨハネスブルグ国際空港経由が便利です。現地が夏の盛りを迎える 12 月~ 1 月に訪れると、地域の主要作物であるヒマワリが見事に咲き競う畑も見ることができます。