ホーチミン市博物館には、先史時代につくられた道具や貴重な文化財、民芸品などのコレクションが収蔵されています。ベトナム国民の視点から近代における戦争の歴史を見つめなおし、アメリカ軍の戦闘機をすぐ近くから観察しましょう。
博物館に入る前に、まずは外から、すばらしい建物の外観を鑑賞してください。1885 年に建てられたフレンチ ネオルネサンス様式の豪華な建物。前面には高い円柱が立ち並び、正面玄関の上に格調高いバルコニーが付いています。この建物はかつて、コーチシナ総督の宮殿として利用されていました。
見学順路の最初にある展示品は、ベトナムの古代文明をテーマにしています。きわめて保存状態の良い道具類をご覧ください。木を削って造られた 2 艘の長い船は、人や食物を運んサイゴン川を行き来したものです。これらの出土品の発掘現場の写真や、古代の民族や村の様子を描いた、カラフルな絵も展示されています。
さらに進むと、ホーチミンの人々が長い歳月をかけて培ってきた文化についてより深く知ることができます。何世紀にわたり、結婚の儀式の際に着用された色鮮やかで装飾に富んだ衣装。手作りの宝飾品や陶器もあります。このような類のものは、今日も結婚式をはじめとする祝祭の儀式で使われています。
博物館の最上階には、苦難に満ちた戦争と革命の時代にまつわる展示品があります。展示されている証言記録や写真を見れば、この国で起きた様々な紛争に関わった兵士たちがどのような体験をしたのか、知ることができるでしょう。アメリカが残していった銃、メダル、軍服なども見ることができます。
次は建物の外へ出てください。庭にはベトナム戦争に使われた戦闘機などが展示されています。1975 年に大統領宮殿を爆撃した F-5 戦闘機に、実際に触れてみませんか。ヒューイ UH-1 ヘリコプターを至近距離でご覧ください。
ホーチミン市博物館は、1 区のリー トゥー チョン通りにあります。博物館は年中無休。小額の入館料がかかります。