地元では「片腕の貴婦人」と呼ばれている大聖堂。この異名の由来は、アメリカ独立戦争にまで遡ります。華麗で厳かなこの大聖堂には当初、2 つの塔が建てられる予定でしたが、アメリカの反乱軍への支援で資金が不足し、1780 年に工事を中断。もうひとつの塔は完成することなく、現在に至っています。完成している塔は、高さ 84 m もある堂々としたもの。この塔だけでも十分に見応えのある大聖堂です。
大きな石造りの建物の周りを散策してみましょう。北側には、野外博物館になっている静かな庭園があり、マラガの守護聖人であるサンタ マリア デ ラ ビクトリアの像など、鉄製の彫刻や大理石の胸像が展示されています。入口の近くには、アメリカ独立戦争への支援に対する感謝の印として、「アメリカ革命の息子たち」という団体からマラガ市民と教会に寄贈されブロンズの銘板があります。
美しい装飾が施された円柱のアーチをくぐると、17 世紀に造られた豪華な空間が目の前に現れます。街の熱気と喧噪をしばし忘れ、会衆席の間を歩きながら静寂のひとときを過ごしてみませんか。典型的なルネサンス様式やバロック様式の装飾も見どころ。聖歌隊席には、40 体の聖人の木像が並んでいます。美しいステンドグラスやスペイン出身の芸術家が手掛けた絵画や彫刻も必見。広々として静かな聖堂内にあるゴシックや新古典主義の祭壇画や聖フランシスコの霊廊として造られた礼拝堂も見逃せません。
かつての聖堂参事会室にあるカテドラル博物館にも訪れてみましょう。絵画、彫刻、写本などの宗教芸術を見学できます。
大聖堂はマラガの旧市街にあるパセオ デル パルケのバス停から徒歩 5 分の位置にあり、月曜日から土曜日は、正面玄関で入場料を払うと、大聖堂とカテドラル博物館を見学できます。日曜日のミサの時間と祝日は閉館しています。