2日間の宿泊。有名なホテルで規模が大きく利用者も多いので、様々な感想を持つ人がいると思うが、私は「泊まってよかった」という感想を持った。価格相応のきちんとしたサービスが受けられるし、何より朝食が同価格帯のホテルより断然いい。自分としては満足である。
事前に宿泊料を払っていれば、変なデポジットのようなシステムはなく、宿泊税のみの支払いでチェックインできる(現金でもクレジットカードでもOK)。一人旅だったのでダブルベッドタイプに泊まったが、部屋の環境は想定の範囲内であり、古いけれどもメンテナンスはされているし、冷蔵庫やセーフティーボックスもきちんとある。テレビは現地の主要チャンネルやBBCのほか、FOXやナショナルジオグラフィックが映る点が高評価。ボトルの水やティーメーカーも準備されている。アメニティは同価格帯と比較して劣り、補充型のシャンプーとボディーソープがあるだけで、石鹸や歯ブラシその他一切を置かない方針を取っている。そういうものだと事前に理解しておけば問題ないだろう。
なんと言っても、宿泊者がグランドフロアにある粋な洋風カフェ「Antipodean」で朝食を取ることができる点は最高にいい。ここはちょっと他とは雰囲気が違う。正直なところマレーシアを旅行していて、あまりサービス熱心で丁寧だという印象を受けることはなかった。けれども、この店では東京と変わりないサービスを受けられる。店員は常にホールに気を配り、不足したものはすぐに補い、テーブルも常にきれいにしている。ときどき利用者に「いかがですか、何か必要なものがあったら遠慮なく言ってくださいね」と声掛けしているのが印象的だった。ある男性のウェイターは、私が日本人だと知ると喜んでくれて、オレンジジュースを持ってきてくれた。これは恐らく濃縮還元ではなく、きちんと搾ったものだと思う。食事のメニューは豊富に取り揃えてあり、どれもおいしく感じた。特に2日目に出てきた野菜スープが素晴らしく、醤油を使った日本人好みの味付けで感動した。また、アップルパイがサクサクしていてとてもおいしかった。
また、店内の一角には子供が遊べるスペースがあって、おもちゃや絵本を取り揃えており、子どもが遊んでいる間に保護者がゆっくり朝食を楽しめるよう工夫してある。
立地のよさや交通機関の利便性を考えても、このホテルの利用価値は非常に高いと思う。華美な部屋を好むのであればオススメしないが、観光の拠点としての利用なら、真っ先に選択肢に入るだろう。苦言を呈すれば、アメニティは改善すると印象がもっとよくなるだろう。ただし、全体のバランスから見れば、価格相応かそれ以上であり十分に満足できるホテルである。