砂浜やマングローブの沼地に背負われるようにしてそびえる緑濃い峰々は、絶景が目に楽しいだけでなく、希少な鳥類が多種生息する海岸の自然動物保護区です。
サム ロイ ヨー国立公園はタイランド湾のほぼ 99 k㎡ (61 平方マイル) を占め、「カオ サム ロイ ヨー」の名の意味は「300 の峰々を持つ山」。ここに巨大な石灰岩の山々が連なり、灰色にくすんだ岩肌を見せているためで、ホア ヒンの南約 40 km (25 マイル) から始まる、この公園の湿地から海岸線にかけての景色を上から見下ろす形となっています。この公園の自然美は山影が加わることで一層引きたてられていますが、公園には淡水性湿地や海岸沿いの野生生物生息地も含まれ、環境学的にも重要な拠点となっています。ここは希少種の鳥たちが何種類も生息し、繁殖してきた重要環境です。海岸に沿っていくつも並ぶ石灰岩質の島にボートに乗って野鳥を見に行くこともできるし、あるいは森の小道をたどって山の中に分け入ってみれば公園を一望できます。 ハット レム サラ海岸へは舟で渡るか、公園内の村バン プーから歩いて山越えして行きます。ここには「サム プラヤ ナコーン」と呼ばれる有名な洞窟があり、大きな穴から日光が差し込むため、洞窟内でありながら植生が見られます。園内にはほかにもいくつか洞窟があり、人気が高いのは、鍾乳石や石筍がひと際立派に成長しているタム サイとタム ケオです。洞窟を見に行くなら、近くの村からオイル ランプを借りて行ってください。この国立公園を 1 日で観光しきれなかった場合は、松の木が列をなす、穏やかなハット サム プラヤ海岸に宿泊施設があります。 サム ロイ ヨーへはホア ヒンから車で行くのが便利です。プランブリまではバスか電車、プランブリからは地元の人たちが「ソンテウ」と呼ぶバスに乗ります。このバスは朝から午後にかけてバン プー村から 30 分おきに運行しています。