ザルツブルグの旧市街とザルツァッハ川が一望できるカプツィナーベルグ山。雲のない晴れた日には、バイエルンまで臨むことができます。

遠くまで見渡せる景色を楽しんだり、自然に囲まれたハイキングコースを歩いたり、史跡を訪れたり。カプツィナーベルグは、夏の昼下がりに家族で散歩やピクニックをするのにもぴったりです。標高 636 m (2087 フィート) のこの山は、ザルツブルグの街で最も高い場所。歴史も豊かで、この山には新石器時代から人が定住し始めたといわれています。この山で最も重要な建物は、カプツィナーベルグ修道院です。1 人の修道士によって、トロンペーターシュロス (トランペット吹きの城) として知られる城の跡地に建てられました。修道院と中世の集落に行くには、リンツァー通りとインベルクシュティーゲの 2 つの道のどちらかをのぼります。リンツァー通りには、キリストの受難を描いた十字架の道行の留 (りゅう) という 6 枚のプレートが点在しているので、ぜひ足を止めてご覧ください。途中、小さなモーツァルト記念碑が建っているので見逃さないようにしましょう。モーツァルト最大の野心作の 1 つ、オペラの『魔笛』を作曲したといわれている場所を示しています。そのまま進むと、ザルツブルグの街並みを見渡す絶景が広がる、フェリックスの門にたどり着きます。もう一方のインベルクシュティーゲは、ザルツブルグの交易路として使われていたシュタイン通りから伸びる狭い階段です。修道院の向かいの木々に囲まれた邸宅は、パッシンガーシュロス (パッシンガー邸) といってオーストリアの作家シュテファン・ツヴァイクがかつて暮らしていました。修道院のさらに奥には、ザルツブルグの街並みとその周辺エリアが見渡せるすばらしい見晴らし台が 2 つあります。1 つは 20 分ほどで着くバイエリッシュアウスジヒト (バイエルン展望台)。もう 1 つはそこからさらに 10 分歩くオベーレシュタットアウスジヒト (「上からの街の景色」の意) です。山の頂上に構えるフェリックスの門の壁に沿って進むと、フランツィスキーシュロス (フランツィスキー邸) にたどり着きます。1629 年に要塞として建てられた建物で、1849 年に居酒屋に生まれ変わりました。ザルツブルグの街に戻る前に、ここでお昼を食べたり、冷たい飲み物で喉をうるおしたりしましょう。水曜日から日曜日までの午後に営業しています。夏のお祭りシーズンには営業時間が延長されます。1 月はお休みです。カプツィナーベルグは、ザルツァッハ川の東岸に位置し、ザルツブルグの主要な観光名所から歩いて行くことができます。旧市街からはシュターツ橋またはモーツァルトシュテク橋を渡ってすぐです。頂上まで歩いて行くつもりなら、半日はかかると思っておきましょう。