大司教が居住していた 2 つの宮殿が建つレジデンツ広場。コンサートやスポーツイベント、フェスティバルが開かれる旧市街の人気の広場です。

レジデンツ広場は、ザルツブルグの旧市街の中心に位置する広々とした公共の広場です。この広場に建つ 2 つの宮殿は、バロック様式とルネサンス様式を代表するすばらしい建築物で、広場そのものも文化的催し物を行う会場として重要視されています。多くの人が集まるこのザルツブルグの中央広場は、16 世紀後半に造られました。この広場でひと際目を引くのは、中央にある立派なレジデンツブルネン (レジデンツの噴水) です。ザルツブルグ最大の噴水で、1965 年制作の映画『サウンドオブミュージック』の背景に登場しているので、見覚えのある方もいらっしゃるでしょう。精巧に作られた馬、イルカ、ギリシャ神話のアトラス神の像はどれも、イタリア人芸術家のトンマーゾ・ディ・ガローネが手掛けました。歩き疲れたら、立ち止まって一休みするのにちょうどいい場所です。また、とても有名な噴水なので、周囲の建物と一緒に写真を撮る観光客がたくさんいます。ぜひカメラを忘れずにお持ちください。レジデンツ広場の両端には、ザルツブルグの歴史的建造物が建っています。西側に建つのは、13 世紀に建設された豪奢 (ごうしゃ) な宮殿、レジデンツです。宮殿内には 180 もの部屋があり、一部は一般公開されています。音声ガイド機器が借りられるので、ぜひ見学してみてください。中でも忘れずに見たいのが、モーツァルトが演奏したことのある「リッターザール」(騎士の間) です。現在もザルツブルグ宮殿コンサートの会場として使用されています。ヨーロッパの上質な美術品を集めたレジデンツギャラリーも必見です。広場の東側、モーツァルト広場の隣に建つのは、新レジデンツです。また、広場にはとても興味深い博物館が複数集まっているので、ぜひ回ってみてください。特におすすめなのは、パノラマ博物館です。ここの目玉はヨハン・ミヒャエル・サットラーが制作した円形のパノラマ絵画で、1829 年のザルツブルグの街が描かれています。作品の周囲の長さは 26 m (85 フィート) もあり、観賞用のプラットフォームに立って眺めれば、そのすばらしさにため息がこぼれます。広場の北側には住宅が立ち並んでいます。おしゃれなベーカリーカフェもあるので、お昼前のちょっとした休憩にご利用ください。広場から南へ下ると、ドーム広場とザルツブルグ大聖堂にたどり着きます。レジデンツ広場を訪れるなら、色鮮やかなクリスマスマーケットが噴水を取り囲む 12 月がおすすめです。にぎやかな雰囲気を楽しみながら、アルプスの工芸品やクリスマスの飾りを所せましと並べた出店を回ったり、ホットワインや地元の料理を味わったりしましょう。9 月には、ザルツブルグの守護聖人を祝う、聖ルペルト祭が開かれます。子どもたちが喜ぶメリーゴーランドが設置されるので、この時期にザルツブルグにお越しの方はお子さまと一緒にお立ち寄りください。レジデンツ広場は旧市街に位置し、ザルツブルグの主要な観光名所の多くから歩いて簡単に行くことができます。旧市街に行くにはザルツブルグの中央駅からバスに乗ります。最寄りのバス停はモーツァルトシュテク橋 / ルドルフスカイ通り、またはラートハウス (市庁舎) 前です。