ピエンツァ大聖堂 (ピエンツァ ドゥオーモ) は、ピエンツァの中心部に建つ見事な宗教建築。計画的に作られたルネサンスの街並みを形作る重要な建物の 1 つです。1459 年に、ローマ教皇ピウス 2 世が建設を命じたピエンツァ大聖堂。イタリア人建築家ベルナルド ロッセリーノが建築を担当しました。ピエンツァの歴史地区には、ロッセリーノが請け負った建物が他にもいくつかあります。
この大聖堂のルネサンス様式の外観には、建築上の画期的な特徴が見られます。アーチでつながった柱や、石灰華製の壁面を飾る付け柱などがその例です。両側に傾斜の付いた屋根や高い鐘楼にも注目。鐘楼は、地震による損壊から 20 年以上も経た 1570 年に再建されたものです。
屋根の近くを見上げると、5 つの月が浮き彫りされているのがわかります。これは、ピウス 2 世を輩出したピッコローミニ家の紋章です。側面の壁にはゴシック様式の大きな窓があり、ここから内部に自然光を採り入れています。
中に入ると、両側を側廊に囲まれた会衆席が設えられ、ゴシック様式の内装に厳粛な雰囲気が漂っています。会衆席に立ち並ぶ柱は、上部が美しい柱頭でつながり、通路との空間を区切っています。ローマ教皇のケープを羽織ったピウス 2 世の彫像も見られます。また、聖歌隊席などさまざまなところにピッコローミニ家の紋章が刻まれていることにも注目しましょう。
ここでは、ジョヴァンニ ディ パオロやロレンツォ ヴェッキエッタなどの、シエナ派の画家による絵画作品を見ることができます。
ピエンツァ大聖堂は入場無料。毎日入館できますが、現在も実際に使われている教会なので、ふさわしい服装を心がけ、参拝者の邪魔にならないように行動しましょう。
大聖堂があるのは、ピエンツァの中心的な広場、ピウス 2 世広場の南側。広場の西側には、かつてピッコローミニ家の邸宅として使われていたピッコローミニ宮殿があります。宮殿内の部屋は、オーディオ ガイドに沿って見学するのがおすすめ。庭園からは、トスカーナ地方らしい緑豊かな眺めが楽しめます。ピッコローミニ宮殿の向かい側にあるのはボルジャ宮殿。司教区博物館として、芸術作品の展示を行っています。