カテドラル デ リマキュレ コンセプシオン (無原罪の御宿りの聖母大聖堂) は、フランス領ポリネシアの首都パペーテのウォーターフロントに 19 世紀に建てられたカラフルな教会です。19 世紀当時の趣を今に残す、タヒチで最も古く由緒あるカソリック教会でもあります。赤い尖塔 (せんとう) と黄色いファサード、海老茶色のアーチが付いた窓が特徴で、海岸沿いの広々とした広場の中央にそびえています。
色の対比が美しい教会のファサードには、フランスから植民地支配を受けてきた島の歴史が垣間見えます。コロニアル様式とゴシック様式の建築美が折衷されたこのカテドラルは、19 世紀は 1844 年に建造されました。教会の窓に嵌めこまれたステンドグラスには、タヒチの歴史的建造物のほか、タヒチならではの美しい風景が描かれています。
また、教会内部には磔刑のキリスト像を描いたドラマチックな絵画も。外と打って変わって涼しく広々としている教会内部には、敬虔な信者たちが静かに祈る姿がちらほら。美しく飾られたキリスト像や、繊細なモザイク壁画を鑑賞する際には、信者の祈りを邪魔しないよう気をつけて。天井から吊るされている見事なシャンデリアにはロウソクの炎がゆらめき、祭壇には南国ならではの原色の花々が美しく飾られています。
パンノキの実を捧げ持つ聖母マリアとキリストの木像は、南国ポリネシアとヨーロッパ・フランスの融合の象徴そのもの。ポリネシアらしい情熱的な賛美歌が響き渡る教会内のミサには、観光客でも誰でも参加することが可能です。
このカテドラルは、パリの有名なノートルダム大聖堂にちなんで、別名パペーテのノートルダム大聖堂とも呼ばれています。19 世紀の建築以降、このカテドラルは 1906 年の津波に、1914 年のドイツ軍による空襲、そして1987 年に起きた暴動など、数多くの試練を乗り越えてきました。そのたびに損傷を受けつつも、20 世紀の間に数回の修復工事を経て、今ではかつての美しさを取り戻し、数多くの地元民が今でもこの教会で洗礼を受けています。
カテドラル デ リマキュレ コンセプシオン (無原罪の御宿りの聖母大聖堂) は、タヒチ島の北西岸近くにあり、ブラック パール博物館およびブーゲンビリア公園が最寄りです。近隣の島々からタヒチ島への発着駅である湾岸駅 (Gare Maritime) からは徒歩で 5 分ほどの距離です。