西漢南越王陵墓博物館は南越王国 2 代目国王の趙眜 (ちょうばつ) が建てたもので、趙眜は、中国南部とヴェトナムを治めたものの短命に終わった南越王国 (紀元前 204~111 年) の建国者の孫に当たります。趙眜の墓所は 1983 年に建設用地を整えていたところを偶然発見されました。地下約 20 m (66 フィート) の深さに眠る王墓跡からは、剣、楽器、金印、青銅器、銀器、土器など 1,000 点を超える遺物が発見されました。多くはこの博物館に展示され、2,000 年以上も昔にこの地域で営まれていた暮らしを今に伝えて、見る者の心をとらえます。 西漢南越王陵墓博物館は 3 棟、14,000 ㎡ (151,000 平方フィート) からなる複合施設で、総合展示館、メイン展示館、南越王陵で構成されています。まずは南越王国の歴史を紹介する短いビデオを鑑賞し、複合施設の中心をなす地下墓所を見学します。細い通路を歩きながら、遺跡や王墓の発見にまつわる情報を伝えるパネルを次々と見た後は、数々の貴重品とともに、趙眜に殉死した廷臣たちが納められていた玄室を見学し、王墓からの出土品が多数陳列された博物館の展示ホールは、ぜひ時間をかけて見て回ってください。
見どころの 1 つは王が身に付けていたヒスイの経帷子 (かたびら) で、何と 2,000 個を超えるヒスイで作られています。古代南越では、宝玉が遺体を守る力を宿し、身に付ける者に不死の力を与えると信じられていました。数百点もの陶枕 (とうちん) も博物館の目玉となるコレクションです。来世に備えて埋められた副葬品ですが、歴史家たちによれば、当時は生きている間にも枕として活用されていたと言います。ここは団体客や幼い子どもにもしっかりと対応した博物館で、アクティビティー センターに行けば、身をもって学べる活動がたくさん用意されています。西漢南越王陵墓博物館は、鉄道の越秀公園駅からすぐのところにあり、バス路線も何本かここを通っています。博物館は毎日開館しています英語で書かれた館内表示や展示説明も多く、わずかな料金で借りられる数か国語のオーディオ ガイドも用意されています。