ナショナル ヒーローズ パークはキングストン最大の公共スペース。市民に人気の植物園です。多くの要人が眠る場所でもあり、豊かで波乱に富んだジャマイカの歴史に敬意を表し、訪れる人は後を絶ちません。公園に入ってまず目に飛び込んでくるのは彫刻の数々。どれもシンプルながらユニークで、曲線美を描いて高くそびえる姿に目を奪われます。
広さ 20 ヘクタールの敷地内には数々の記念碑があり、ジャマイカの歴史や文化に大きな功績を残した人々を称える文章が刻まれています。ジャマイカ ウォー メモリアルは戦没兵士を称える記念碑。毎年、戦没者追悼記念日にはこの前で式典が行われます。何本もの柱を円状に配置した印象的な碑は、国民参政権を訴えた政治家、ノーマン マンリーの墓標。ラスタファリ運動で予言者とされた黒人民族主義の指導者、マーカス ガーベイの墓標は星形の台座の上に据えられています。
天空に向けてしなるようにカーブした 4 本の柱に囲まれているのは、ジャマイカの第二代首相ドナルド サングスターの墓石です。ほかにも、マルーン (逃亡奴隷) の伝説的な女性リーダー、グラニー ナニーの彫像や、1980 年に起きた介護施設火災の犠牲者を悼む慰霊碑など、たくさんの記念碑が並んでいます。国民的英雄が眠るのは聖堂と呼ばれる一画。別のエリアにも、歴史に名を残した多くの愛国者たちが埋葬されています。
死者に思いをはせつつ、開放的な空間で太陽の光を満喫できるのもこの公園の魅力。ビーチ、山、レゲエ、そしてのんびりとしたライフスタイルが人気のジャマイカですが、まだまだ知られていない奥深さがあることに気付かされます。この国のユニークな歴史と、今の姿へと導いた人々や出来事を伝えるこの場所では、真のジャマイカに触れることができるかもしれません。公園を警備するジャマイカ国防軍の衛兵が 1 時間ごとに行う交替式も見逃せません。
ナショナル ヒーローズ パークはキングストンのダウンタウンにあり、街歩きの途中に立ち寄るにはピッタリ。美しい樹木や花々、彫刻に囲まれた公園をぜひ写真に残しておきましょう。