アンデスの高地とキトの南東に位置する「パラモ」と呼ばれるツンドラ地帯の新熱帯区。ここに伸びる広大な自然保護地域がコトパクシ国立公園です。渓谷や川、沼を見下ろす壮大な活火山、コトパクシ山の周囲を取り囲むように公園が広がります。息をのむような自然の中で、ハイキングやマウンテンバイク、キャンプや乗馬が楽しめます。
インカの言葉で「月の首」を意味するコトパクシ山の高さは、富士山をはるかに超える 5,897 メートル。雪を頂くこの火山は長い間に大噴火を繰り返し、最後の噴火は 1940 年と伝えられています。今もなお活発に活動しているにもかかわらず、毎年、氷河を登ろうと本格的な登山家が数多くやって来ます。登山以外にも、自然を探検したり、風景を満喫したり、山や公園を楽しむための選択肢はいっぱい。
コトパクシ県やピチンチャ県、ナポ県だけでなく、近隣の火山へも足を延ばせる日帰り旅行やハイキング、エクスカーションが揃っています。キトで信頼できる旅行業者を見つけて予約を入れましょう。自分のペースで歩いて、公園に広がる自然の美しさを楽しむのもおすすめです。ここに生息する興味深い動植物との出会いが待っています。この公園にはパラモ帯に自生する植物種だけでなく、ピューマやラマ、フクロマウス、アンデスオオカミやシカも見られます。
コトパクシには小規模の博物館やビジターセンターもあり、野生生物や公園の歴史が楽しく学べます。エクアドルの先住民族にまつわる話だけでなく、野生動物の標本や火山の起伏模型も展示されています。この博物館も、ハイキングやアクティビティの目的地の多くも海抜 4,500 メートルに位置します。立ちくらみや高山病への対策も入念にしておきましょう。
コトパクシ国立公園は、キトから南東わずか 53 キロ。公園への入場は有料です。日帰りその他のツアーはそれぞれ参加料金が掛かります。参加料金はアクティビティの内容や人数、宿泊や食事の有無などによって異なります。野外アクティビティを楽しむには 12 月から 4 月がおすすめです。