マドリード市庁舎 (カサ デル アユンタミエント) は 1696 年から 2007 までの長きにわたり、この街を治める庁舎として使われました。かの有名なフアン・ゴメス・デ・モーラが 1640 年代に設計を手掛けましたが、ゴメスは完成を見ることなく亡くなり、1696 年に竣工しました。
スペインでも特に古くから建設の進んだロス アストゥリアスに含まれるビーリャ広場 (プラサ デ ラ ビージャ) を見下ろすように建っているので、 広場を散歩がてら、ふんだんに装飾が施されたファサードや広場の市庁舎前に設置されたアルバロ・デ・バサン提督 (レパントの海戦で戦功を立てた「スペイン海軍の父」) の像を見るのもおすすめです。
市庁舎の半分は数十年間、刑務所として使用されたことがあり、2 カ所設けられた玄関の 1 つは市政に使用された部分に通じ、もう 1 つはこの刑務所部分に通じています。ツアーは英語とスペイン語の両方が用意されており、特に印象深い部屋を 4 室紹介。月曜日の晩は内部ツアーに無料で参加できます。本会議場は、天井一面にアントニオ・パロミーノのフレスコ画が施され、議員席が並んでいて、飾られた美術品は 17 世紀から 19 世紀にかけての諸様式が混在して見られます。 水晶のアトリウム (アトリオ デ クリスタレス) に進むと、日の光が透けるステンドグラスで市の紋章とアルカラ門 (プエルタ デ アルカラ) が描かれ、著名なスペイン作家の胸像が並んでいます。レセプション ホールの中を歩いていくと、修道院から接収した巨大なシャンデリアが輝き、フランスから贈られたつぼや何点かの美術品がしつらえられているのが目に入り、歴代市長の肖像画がかけられた記念ホールでツアーは終わります。市庁舎はマヨール広場からも王宮からも簡単に行ける名跡で、最寄りの地下鉄駅はオペラ駅とプエルタ デル ソル駅です。