土肥の中心部に立つ由緒ある仏教寺院、安楽寺は、ゆるぎない静けさの中で貴重な歴史建築を鑑賞できる名所です。
安楽寺で曹洞宗の古刹ならではのたたずまいをゆっくりとご覧ください。静かに自己の内面を見つめ直すことのできる環境、村とその先の駿河湾を一望する見晴らしが待っています。
安楽寺へは、土肥の中心部から一帯の落ち着いた道を歩いて訪れます。土肥の目抜き通りをまっすぐ端まで歩いたら、伝統の瓦屋根を載せた山門がすぐ目に入るので、迷う心配はありません。
何本もの古木の大枝が覆い、近くの遊び場には、幼子を遊ばせる若夫婦の姿が見えます。遠目には控えめな構えですが、近づいてみると、地面から屋根の天頂部まではかなりの高さがあることがわかります。そのまま木の山門をくぐり、安らかな空気に包まれた境内を歩いた後、趣ある日本の伝統建築をしみじみと味わいましょう。
4 月初旬は寺の周辺が咲きにおう花で満たされ、素晴らしい写真を撮影できます。寺の裏山に築かれた墓地からは、土肥村はもとより、遠く駿河湾の先まで見渡すことができます。
安楽寺周辺は、日本の金鉱業が盛んだったころに採金で栄えた地域で、かつて坑道だった深い洞窟を抜けると、伊豆半島屈指の温泉があります。頭を低くかがめながら天井の低い坑道を歩き、信仰対象となっている温泉まで行きましょう。温泉観光で知られるようになった町とは対照的に、安楽寺では温泉にも昔ながらの信仰心が向けられています。
安楽寺は、東海から車またはバスで約 45 分です。現地に無料の駐車場もあります。土肥に滞在する場合は、寺まで徒歩や自転車でも簡単に来ることができます。土肥金山は毎日拝観を受け付けており、入場は有料です。