ハノイ旧市街に通じるアーチ型の城門を通りぬけ、幾たびもの侵略の手から市を護った、門の警備兵たちのことを想像してみてください。彼らはフランスやアメリカとの戦争中も、市を護りました。中央に建つ塔が頂くカーブした屋根を眺め、風にはためく赤と黄のベトナムの旗を仰ぎましょう。
門は、1749 年、旧市街をとり巻く複数の城門のひとつとして建設されました。ハノイ市民はこの門を、1843 年にフランスとの戦いで命を落とした、ベトナム軍のリーダーにちなんで、クアン チュオン門と呼んでいます。1946 ～ 1947 年、フランスの植民地支配に抵抗する戦いにおいても、この門は重要な場所となりました。
門が、戦略的に重要な軍事拠点として使用されこともあります。アメリカとの戦争の際に、高射砲がここに設置されたのです。現在も、原初の形と構造を留めていますが、過去には何度かの修復が加えられています。
門の主要な入口は、ホン河 (紅河) のある東を向いています。近づいて行くと、堂々たるアーチ型の入口が見えてきます。高さ 3 メートル (10 フィート) で、2 重構造となっています。上の層にある灰色の塔の上の、伝統的なカーブを描く屋根をご覧ください。近くから見ると、文字が刻まれた小さな石柱があることに気づくでしょう。1882 年に建てられたこの石柱には、兵士が通行人に危害を加えることを禁じる、命令文が刻まれています。
正面入口の両側に通る狭い歩道を歩いて行くと、ハノイ旧市街の中心部に到着します。周辺には市場があり、数多くの店が出ています。新鮮な果物や野菜類から手作りの絹の衣類まで、実に様々なものが安い価格で売られていますから、チェックしてください。
ハノイ旧市街の門はハン・チュウ通りと Dao Duy Tu 通りの交差点にあります。ホアン キエム湖のすぐ北です。
