ヴィテルボ大聖堂は、丘の上のサン ロレンツォ広場にそびえ立ち、建築的にも優れた教会です。建設されたのは 12 世紀。古代エトルリア文明のヘラクレスの神殿があった場所と言われています。16 世紀に再建築されましたが、第二次世界大戦中に爆撃の被害を受け、復元されました。現在では、教皇の宮殿、ロッジア (開廊)、博物館と合わせて、中世の建造物群の一部を構成しています。
装飾の少ない質素なファサードを見てみましょう。ジャン フランチェスコ ガンバラ枢機卿の命により復元された際に追加され、中央のバラ窓と入り口の両側を飾る 2 つの丸窓が特徴的です。ファサードの左側には空高くそびえる鐘楼があります。上部がピラミッド構造になっていて、ゴシックとトスカーナの建築の影響が見て取れます。
大聖堂の中に入ると、堂々として調和の取れた内装が目を引きます。3 つの身廊が柱で支えられたアーチで仕切られています。柱の頭部にはスフィンクスが彫られています。コズマーティ様式のタイルが敷き詰められた大理石の床にも注目。ほかにも、14 世紀のフレスコ画、フランチェスコ ダ アンコーナ作の洗礼盤、聖ロレンツォの生涯を描いた絵画などを見学できます。
サン ロレンツォ広場に戻ったら、近くの歴史的建造物もぜひ訪ねてみて。大聖堂博物館では、考古学上の貴重な展示品、聖骨箱、宗教芸術などを見ることができます。広場の北側にあるのは教皇の宮殿。13 世紀にローマからヴィテルボに移り住んだ教皇の住まいとして建設されました。宮殿の階段の右側にある、アーチで飾られたロッジアや、獅子の装飾が施された噴水も見ごたえがあります。
大聖堂はヴィテルボの歴史地区の西側に位置します。プレビシート広場やサン ペッレグリーノ通りなど、街の主な見どころから徒歩で 10 分ほど。
月曜日を除き、毎日公開されています。有料ですが、ガイド付きのツアーが利用できます。料金には、博物館の入館料も含まれています。