日中はヤスール山が蒸気を上げる姿が見られます。夜になると暗闇の中で噴出するマグマが揺らめく赤い炎を視覚で捉えられるようになります。タンナ島のヤスール山は遠くから眺めることもできますが、おすすめはガイド ツアーに参加すること。幅 400 m ある火口の淵近くまで近づけます。
ヤスール山の火山活動は、何世紀にもわたって続いています。1774 年には、探検家のキャプテン クックが灰噴火を報告しています。海の上からも頻繁に噴火が見えるため、「太平洋の灯台」とも呼ばれています。ストロンボリ式と呼ばれる噴火は、一度に激しい爆発を起こす噴火とは異なり長期にわたって活動が続きます。
噴火口の高さは海抜 361 m と報告されていますが、頂上と周囲の高さは溶岩の量や地殻運動によって変化します。火山が最も活発になるのは 2 月から 4 月。雨季でもあるので、備えが必要です。つま先が覆われた靴を履き、噴火口に近づく際に気温が低下した場合に備えて上着を持参しましょう。
島の文化にはいつも活火山の存在があったことの影響が見て取れます。タンナ島の 3 万人の住民の中には、ジョン フラムを信仰するカーゴ カルトの信者がいます。彼らは、この火山が、島民に莫大な富をもたらすと言われるアメリカ人の救世主、ジョン フラムの聖地であると信じています。
ヤスール山は活火山であるため、火山弾、土石流、有毒ガスなどによる危険が常に伴います。地域の情報に注意し、当日の危険度を確認するようにしてください。火山弾の可能性が高い場合は、立ち入りが禁止されます。見学に最適なポイントにベストなルートで案内してもらえるよう、経験豊かで信頼がおける、安全への意識が高いガイドを手配しましょう。
ヤスール山は、南太平洋のバヌアツ諸島でも最南端にある島の 1 つ、タンナ島の南東側に位置します。ヤスール山を訪れるには、バヌアツの首都ポート ビラの空港からタンナ島まで小型飛行機に乗ります。ヤスール山の火口まで行ける道へは車で 20 分ほどで到着します。