10/10 (非常に良い)
Yuja
家族旅行
2025 年 3 月 17 日
松山ー宮島ー尾道ー倉敷ー直島ー豊島ー高松と文学とアートをめぐる旅の二日目の一泊を、連れと二人でお世話になりました。
宮島には私が二度目で、連れは三度目。
前回来た時には厳島神社の鳥居が改修中でChristo & Jeanne-Claudeの作品のようになっていたため(それはそれで貴重でしたが)、宮島を再訪しました。
島内前泊を決め、せっかくならと島の反対側に興味がありこちらを予約したのですが、私はここにすっかり魅せられてしまい、翌日の厳島神社はうわの空でした。
この宿の何がよかったかというと。
一番はここから見える景色です。
瀬戸内はあちこちに工業地がありますが、ここからの海と島の景色は格別です。
原生林と農園の他には瀬戸内独特の静かな海と島並みと小黒神島しか見えません。
しかもここは神の島。
宿はどこからでもこの景色が見えるように設計されています。
私たちが泊まった日は曇りでした。瀬戸内特有の水蒸気があがる水墨画のような景色が見られましたが、晴れていたらきっとまた違う印象の景色が見れたことでしょう。
少なくとも二日、できれば数日泊って、海だけでなく輝く星空も見てみたかったです。
オーナーが「春と秋には、もうそれを見ているだけで生きていてよかったと思える日があります」とおっしゃっていたのが印象的でした。
宿泊当日と帰りは、フェリー乗場までオーナーが送迎してくれます。
片道20分ほど車に揺られ、途中各所でたくさんの野生の鹿に見つめられます。
宿の近く(歩くと結構かかるかもしれませんが)には海水浴ができる綺麗な砂浜もありました。
宿のエリアに入ったら鹿・猪除けの金網ゲートを三つ通過し、さらに坂道をガタゴトとのぼって宿に到着。
宿の背景は霊峰・弥山です。
母屋はキッチンとリビングスペース、キッチンの裏側は二層になっていて上は寝室、下に大理石の床に囲炉裏のようなダイニングスペースがあり、申込み時は二人定員になっていますが、大人数の集まりにも楽しく使えそうな設計です。
母屋の造りや新たに造られたムーミン風のキャビン、檜のお風呂(テルマエ宮島)、その前の大きな石を掘り抜いた夏用プールなどなど、敷地の随所にひらめきと芸術や技術へのリスペクトが詰まっています。備品も素敵です。
お話を聞いて、倉敷の大原美術館の児島虎次郎がつくった無為堂の方向性が思い出されました。
世界の芸術がここで出逢い響き合う場ということでしょうか。まだまだ進化するそうです。
芸術や建築、美しいものとは何かということに関心がある人には特にお勧めしたいです。
食事は自前でということだったので、私たちは夕食用に宮島口で穴子飯を買って行きました。
早く出発するつもりで朝食分は持っていきませんでした。
穴子飯だけ持って来たと伝えるとそれでは味気ないと思われたのか、オーナーがハウスで作っているレタスや各種ベビーリーフを分けてくれました。
図々しくもお味噌汁も食べたいと言うと、ご自身の冷蔵庫の野菜や調味料も使わせてくださりありがたかったです。
器がどれも素敵なのもうれしかった。
食べたいものがあればしっかり持って行くことをお勧めしますが、当日いただいた野菜もとっても美味しかったです。
季節や時期によって事情も違うようなので、率直にご相談されてみてはいかがでしょうか。
いままで18カ国で5つ星ホテルを含めていろんな宿に泊まりましたが、私の中ではもう一度行きたい宿ナンバーワンです。
一泊の短い時間でしたが、女神の島の原生林の宿の主になった気分を味わえたことをオーナーに深く感謝します。
Yuja
2025 年 3 月に 1 泊滞在