キトの街からほど近い場所にあるピチンチャ山は山頂が 2 つある活火山。車でも、徒歩で登ることもできます。山頂からは、火山東側の斜面からキトの街まで続く渓谷の美しい眺めが、視界いっぱいに広がります。アクティブ派なら、2 つの山頂を目指す登山にチャレンジを。マウンテンバイクで火口周辺まで行くこともできます。
2 つの山頂はそれぞれ、ケチュア語族の言葉で “子供” を意味するグアグア、“老人” を意味するルクという名で呼ばれています。キトの西側一帯にそびえるグアグアとルクの標高はそれぞれ 4,784 メートルと 4,698 メートル。小さな村リョアから、グアグアの山頂へと続く砂利や泥だらけの道を四駆で登っていきましょう。地元ガイドとグアグアを登るツアーに参加するのもおすすめです。登山コースは約 4 時間。山頂から約 20 分の小さな休憩所では軽食をとることも、宿泊もできます。クルス ロマの展望台から 3 時間ほど進むと、休火山のルクに到着。ふもとからクルス ロマまではテレフェリコ (ロープウェー) で昇ることもできます。
ピチンチャの山頂からは、パードレ エンカンタドやコンドル グアチャナまでアンデス山脈の山々が一望できる壮大な景色が広がります。グアグアが最後に大噴火したのは 1999 年。火山灰が街を覆い尽くしました。ピチンチャ山はエクアドルの歴史とも深いつながりがあります。エクアドルをスペインからの独立に導いたアントニオ ホセ デ スクレが戦いに勝利し、植民地軍から領土権を得たのがこの地です。
ピチンチャ山はキトから約 10 キロ西に位置します。四駆での登山ツアーやガイド付きのハイキング、マウンテンバイクはすべてキトの市内で手配できます。アンテナスやコンドル グアチャナなどの近隣の小さな山も、ハイキングやマウンテンバイクにおすすめのスポットです。登山の際には適切な準備をすることもお忘れなく。十分な量の水や登山靴などの装備はもちろん、キトの高度に順応できるよう時間をとってから登山に臨みましょう。