ラージャ ディンカ ケルカル博物館は、インドの日常生活を取り上げて紹介する施設で、地域の人々の文化を伝える品々を幅広く所蔵しています。装身具、水タバコ、玩具など、長い歴史にわたるインド人の生活様式を示す多くの展示資料を見ることができます。
これらの資料を収集したディンカ・ケルカルは、膨大な数の品々をひたすら集め、保存することに生涯を費やしました。この資料館は、7 歳にして早世した息子ラージャに捧げるものとして、1962 年に設立されました。
自分のペースで館内を回り、脈々と受け継がれてきた悠久のインド文化について理解を深めましょう。プネー地域の筆記用具や台所用品、17 世紀の貨幣などが展示されています。幾多の戦闘を経て残された金属製の武具や刀をじっくりと鑑賞してください。
マスタニ・マハルの愛の物語を伝えるロマンチックで壮大な宮殿は、元はプネーから離れたコスラッドに建てられていましたが、ディンカ・ケルカルによって解体され、博物館に移築されました。室内の壁面は、絵画、シャンデリア、その他の優美な調度品で飾られており、ペシュワー王朝の栄華が現代によみがえったかのようです。
ビンロウやキンマの葉を口で噛む、噛みタバコの風習についても詳しく知ることができます。噛みタバコを入れる金のロケット ペンダントや絹のポーチなどがあり、どれもとても精巧に作られています。
精緻な土器のコレクション展示では、喫煙パイプや小さな笛、テラコッタ製ランプ、その他の工芸品が目を引きます。玩具の展示からは、18 世紀インドの子どもたちの生活をうかがうことができます。木材、金属、紙などで作られた子供向けの模型や小型戦車があります。
見事な彫塑芸術作品や青銅製の神像がある一方、インドの美容やアクセサリーの伝統を取り上げた独特なセクションも設けられており、鏡やくしのほか、足の角質を取る用具など珍しい品も並んでいます。
博物館は、毎日朝から夕方まで、一般公開されています。入場は有料です。
ラージャ ディンカ ケルカル博物館は、プネー市街中心部を流れるミュラ川の南にあり、近くにはシャニワル ワーダー城塞やサラス バウといった名所もあります。市街中心部までバスかタクシーで移動し、歩いていくのがおすすめです。