キトのメトロポリタン大聖堂は南米最古の教会の 1 つ。さまざまな歴史を伝える宗教的、政治的、芸術的遺産でもあります。16 世紀に建てられた大聖堂は、ゴシックとムーア、バロック、新古典主義と多彩な様式が融合した建築が特徴です。歴史ある大聖堂の中は、装飾が施された身廊、礼拝堂から金色に輝く祭壇へと続く空間が広がっています。キト アート スクールの有名な絵画が並ぶ室内は、目を奪われるような豪華さです。
独立広場から大聖堂に目を向けると、北東側にあるカロンデレトのアーチと呼ばれる入り口が見えます。この入口の見事な装飾も見どころです。広場から16 世紀に築かれた防衛用の濠の向こう側にある大聖堂の正面玄関へと進みましょう。緑色の陶器が鮮やかなドーム型の 3 つの屋根や、背の高い鐘楼が正面玄関の右手に見えてきます。翼廊のドーム型屋根にある雄鶏の形をした鉄製の風見鶏は、伝説にちなんだものと言われています。
大聖堂の室内は、精巧な木彫りやムーア様式の繊細な装飾、見事な黄金のフリーズなどが至るところに施されています。円天井から日の光が差し込む室内は、まさに輝くような美しさ。聖人や殉教者の姿が並ぶ金箔の祭壇彫刻も見ごたえ十分です。1660 年と 1797 年の 2 度の大地震にも耐えた大聖堂は、数世紀にわたり改装が重ねられてきました。この聖堂には、枢機卿や司教、大統領のほか、南米諸国をスペインからの独立に導いたアントニオ ホセ デ スクレなど、エクアドルの歴史上の人物の遺骨も納められています。
キト メトロポリタン大聖堂があるのは旧市街、独立広場の南西側。徒歩か市内を走るトロリーバスで簡単にアクセスできます。大聖堂は年中開館しています。入場は有料。大聖堂と周辺を巡る民間ツアー会社のツアーに参加するのもおすすめです。ツアーでは、大聖堂の中で一番高いドーム型の屋根からキトの旧市街の絶景を眺め、大聖堂の歴史や神話、伝説を聞くこともできます。