巨大な要塞のような壁に囲まれたピッティ宮殿は、膨大な数の芸術品を所蔵しています。近代美術館には 18 ~ 20 世紀初頭の重要なイタリアの作品が展示され、銀器博物館ではフィレンツェを最も長く支配したメディチ家の生活を垣間見ることができます。パラティーナ美術館のコレクションの規模は、ウフィツィ美術館に次いで 2 番目。1458 年、裕福な銀行家ルカ・ピッティの命で宮殿の中心部が建てられましたが、1549 年にメディチ家が買い取りました。一般公開されたのは 1919 年です。
必ず足を運びたいのが、ピッティ美術館の中で最も有名なパラティーナ美術館。かつて王族の目を楽しませた芸術品をご堪能ください。展示作品は年代順や様式別などに分類されていません。かつて個人で楽しむために飾られていたままになっています。500 点以上におよぶ作品のほとんどが、ルネサンス期のものです。きらびやかに装飾された部屋には、ラファエロの小椅子の聖母やカラヴァッジョの眠るキューピッドが一緒に飾られています。
近代美術が見たいなら、2 階の近代美術館へ。イタリア語で「近代美術」とは第二次世界大戦前の 2 世紀を指すため、この名前には少し語弊があります。30 部屋を擁するこの美術館には、その時期を代表する最も重要な作品が展示されています。
フィレンツェの歴史における 3 つの激動の時代を生き、街を支配した一族の生活をのぞいてみていなら、メインフロアの王の居室へ。14 の部屋では立派な四柱式寝台、豪華なシャンデリア、フレスコ画で美しく飾られた壁、メディチ家の人々の肖像画が見られます。銀食器や磁器、馬車が集められた銀器博物館も必見。宮殿はメンテナンスのため毎年 1 月は閉館になります。
ボーボリ庭園にもぜひ足を運んでみてください。彫像や古代ローマの古美術品が点在するすてきな庭です。正式なイタリア様式のデザインが採用された初めての庭園の 1 つでもあり、フィレンツェの美しい街並みを眺めることができます。
ピッティ宮殿の場所は、アルノ川の南岸にあるピッティ広場の中。毎週月曜日、元日、5 月 1 日、クリスマスはお休みです。美術館の開館時間と入館料はそれぞれ異なるので、ポロ フィレンツェ美術館 (芸術作品を管理する機関) のウェブサイトでご確認ください。美術館では音声ガイド機器がレンタルできます。中庭にはカフェもあります。