香港の上環地区の金融機関のビルが立ち並ぶエリアから丘を登ると、香港の秘宝、文武廟にたどり着きます。文武廟に近づくと、建物を目にする前にまず線香の香りが漂ってきます。ここでは一般的な棒状のものではなく、3 週間も燃え続ける大きな渦巻き状の線香が参拝客によって天井に吊されます。お線香の香りをたどって、ハリウッド ロード沿いに建つ白壁に緑の瓦屋根の建物を目指してください。廟は高層タワーに囲まれているので、少し異様な光景です。
文武廟は仏教寺院であると同時に道教寺院でもあり、文学の神様 (文神) と戦いまたは武道の神様 (武神) のまったく異なる 2 つの神様を祭っています。背の高い赤い扉から中に入ると、2 人の神様の大きな像が出迎えてくれます。緑の服を着て毛筆を手にしている方が文神、赤い服に剣を持っている方が武神です。
1800 年代半ばに建設された文武廟には、本堂の他に 2 つの堂があります。列聖宮にはまた別の神様が祭られており、公所はかつて、周辺住民が寄り合いを持ち、動物をいけにえにする宗教儀式を行って争いを解決していた場です。檀家が紙に誓約を書き、ニワトリの血をその上に注ぎ、紙を燃やすという儀式です。この誓約は、イギリス裁判所の判決よりも重いと考えられていました。現代では動物をいけにえにするわけにはいきませんが、パートナーとケンカをしてしまったら、ここに連れてくれば神聖な空気が問題を解決してくれるかもしれません。
文武廟はハリウッド ロード沿いにあります。MTR の上環駅からは徒歩 15 分ほど。毎日開いていますが、一般の参拝客が入れるのは夕方までです。上環駅から以外でも、トラムでビクトリア公園まで行き、5 分ほど歩いて坂を下っても行くことができます。文武廟を参拝したあとは、ラダー ストリートの石造りの階段を下ってさまざまなお土産ショップをのぞきながら上環地区に戻るか、あるいは、荷李活動を南東に向かって歩き、高級ショッピング街のソーホーで買い物や食事を楽しみましょう。