ここは、リヨンを代表する織物産業を記念して創設された、織物博物館。19 世紀初頭からの織物にスポットが当てられています。この魅力的な博物館は、リヨンを流れる 2 つの川に挟まれた半島部分に立つ、18 世紀の大邸宅にあります。リヨンの織物を使用して精巧に作られた作品に目を見張り、4,000 年前から現在に至るまでの織物製造の歴史をたどりましょう。
19 世紀に入ってから、リヨン当局は、市内や世界中で作られた織物を収集、また保存することの必要性を見て取りました。これが、1850 年代に開催された大衆向けの展覧会につながります。その後すぐに博物館の創設が決まり、1856 年、リヨンの中心で開館する運びとなりました。150 年にわたる収集の結果、博物館の所蔵品は250 万点を超えます。その見ごたえのある展示品に目を奪われるでしょう。
何千年も続く織物の歴史についての展示を、ゆっくり見て回りましょう。16 世紀以降、リヨンが世界に誇ってきたシルク生産技術のおかげで、特にシルクを使った作品が数多く展示されています。地元のシルクで作った、念入りに作りこまれた壁掛けは必見。他の展示品としては、エジプトで紀元前 2500 年頃に作られたチュニックや、古代の共同墓地から発掘された服などがあります。
博物館で開催されている企画展も見逃せません。これまでの展覧会では、日本の織物やオペラ衣装、織物工場を支える工学技術など、多彩なテーマが扱われてきました。リヨン滞在中にどんな展示を見ることができるか、博物館に確認してみましょう。
世界中のデザインの歴史をたどることができる、織物博物館に隣接した装飾芸術博物館の探索もお忘れなく。ここでは、中世の聖骨箱や 19 世紀の家具、複雑な模様の磁器などが展示されています。
織物博物館は、宗教的な祝日を除き、火曜日から日曜日まで開いています。博物館は、リヨンの真ん中にある半島の 2 区にあります。リヨン サンジャン大教会から歩いて 20 分以内。地下鉄を使う場合は、最寄りの駅で下車しましょう。1 枚のチケットで、繊維博物館と装飾美術博物館の両方を利用できます。