ラ カリダ劇場は、レオンシオ ビダル公園の北東に立つネオクラシカル様式の建物。1885 年の建設以来、100 年以上の歴史を誇ります。サンタ クララ有数の文化名所で、観劇のひとときを楽しみましょう。
公園から建物を眺めると、3 階建ての直線的な外観が印象的。入り口部分の大きなアーチ、2 階のバルコニー、欄干に囲まれた屋上テラスという特徴が見て取れるでしょう。イタリア人テノール歌手エンリコ カルーソーは、ここで公演を行った初期の歌手の 1 人。美しい歌声で世界中を魅了した人物です。
他にも、キューバ国立バレエ団、アルゼンチンの歌姫リベルタ ラマルケ、スペイン人の歌手でありダンサーのロラ フローレス、キューバ人バレリーナのアリシア アロンソ、同じくキューバのピアニストであり作曲家のチューチョ バルデスなど、そうそうたる顔ぶれがここで公演を行ってきました。現在でも、キューバ国内外の歌手やダンサー、レベルの高い地元の合唱団などによる多彩な演目を見ることができます。すばらしい音響を体で感じ、建設当初からある調度品や、天使を描いた天井の美しいフレスコ画を鑑賞しましょう。
キューバのほぼ中央に位置するサンタ クララは、交通と商業の要衝として発展。それに合わせて街の基盤が発達してきました。劇場の名前は、キューバの守護聖人である慈愛の聖母にちなんでいます。その名前に関連した 2 つの出来事に注目しましょう。劇場名のカリダは、英語ではチャリティー (慈愛)。劇場のオープン当時、初期に行われた公演の収益は、サンタ クララの貧しい人々を支援するためのチャリティーに寄付されました。また、劇場の建設費は、サンタ クララの裕福な慈善家マルタ アブレウ デ エステベスの慈善活動によってまかなわれました。なお、エステベス女史は他にも、学校、公益設備、高齢者や貧しい人々のための家、公共のランドリー設備、そして気象観測所などの建設にも資金を提供しました。ビダル公園には、人々に敬愛されたこの女性慈善事業家の彫像があります。
ラ カリダ劇場の開館日や開館時間は日によって異なります。レオンシオ ビダル公園を散歩しながら、扉が開いているかどうか見てみましょう。入館料を支払うと、内装を見ることができます。地元のガイドに案内を依頼するのも良いでしょう。入館の手配をしてくれたり、詳しい情報を教えてくれたりする場合もあります。内部を見学するには、イベントのスケジュールを確認して公演を鑑賞するのが最も確実です。
