ストーン タウンにあるハウス オブ ワンダース (驚嘆の家) にはベイト エルアジャイブ国立博物館が入っています。館内を歩いてこの建物の歴史を学びましょう。
スコットランド人の造船技師が設計し、1883 年に建てられたこの宮殿は、背の高い時計台が目を引きます。各階を囲むように続くバルコニーは繊細な手すりが多数の鋳鉄製の細い柱をつないでいます。熱帯ビクトリア工業様式といわれるこの建築物は開放的なベランダが特徴で、あらゆる方角からの風通しが良く、室内を涼しく保ちます。
この宮殿は、ストーン タウンに道路や公園、病院、水道といったインフラをもたらしたオマーンのバルガーシュ王が都市計画の一環として建てたもので、この地域で初めて電気と水道を備えた建物でした。
最盛期には、優美な大理石の床、杉板の壁、優雅な家具がしつらえられました。1896 年、史上最も短い戦争といわれる 38 分間のイギリス ザンジバル戦争の間にザンジバル宮殿は破壊され、ハウス オブ ワンダースも被害を受けました。宮殿の周囲に残る大砲は、イギリス軍の激しい爆撃下では無用の長物でした。
戦後、修復されて政府庁舎になった後、20 世紀に博物館に生まれ変わりました。館内では優雅なシャンデリアやカーペット、天蓋と蚊帳付きのベッド、彫刻が施された豪華な布張りの椅子といった調度品が見られます。さらに中庭にはダウ船があり、ザンジバルの重要な造船文化の解説が添えられています。彫刻が施された扉には金メッキの文字でコーランの文言が刻まれています。改修工事で閉館しているときがあるので、入館可能かどうかを博物館入口の門で確認してください。
ハウス オブ ワンダースはザンジバル港から南西へ少し歩いたところにあります。バルコニーからは海に浮かぶダウ船を楽しめるほか、護岸に沿って緑化されたフォロダニ公園を見晴らせます。公園に行って、地元住民に混じって屋外夕市に並ぶ魚介類やおいしそうな食料の買い物や食事を楽しみましょう。近くの旧要塞では観光情報を得られるほか、映画上映があるときもあります。