グランド セントラル ターミナルは、毎日 75 万もの人が利用する大きな駅です。電車を乗り降りする波にのまれないよう気をつけて、この圧倒的な建築美を堪能してください。ショップやレストランもたくさん入っていて、ここだけで十分に楽しむことができます。
たとえ電車に乗らなくても、ヨーロッパ ルネッサンス風の建物の中にいるだけで胸がわくわくしてきます。42 丁目通りからミッドタウンに入り、そのまま歩を進めると、この駅のメインコンコースが広がっています。この広壮なスペースは、数々のハリウッド映画に登場してきました。一目できっと思い出す場所です。ふと目を上げると、天井にはうっとりするような星空が広がっています。高さは 38 メートル。紺碧の絵の具に金箔を貼り付けた目にもあやなる装飾は、1912 年にフランスの芸術家、ポール・セザール・エリューが手がけたものです。この天井画には、十二星座が描かれていますが、実は逆向き。単なる間違いだろうともされています。天井のすぐ下、高さ約 23 メートルの場所に設置されたアーチ型の窓からは日の光が差し込み、石の壁や大理石の床を美しく照らしています。
豪華な大理石の階段を下りれば、気分はハリウッドスター。パリのオペラ座の大階段を模したデザインで、2 つの階段が対を成しています。四面時計の下で待ち合わせるのも素敵です。何百万ドルもの豪華さで、案内所の上に設置されています。
リード アンド ステム建築事務所とウォーレン アンド ウェットモア建築事務所が共同設計したこの駅は、他にも見どころ満載です。たとえば、建物の正面には両隣にヘラクレス像とアテナ像を従えたヘルメス像があります。いずれもフランスの彫刻家、ジュール・アレクシス・クータンによる見事な作品です。彫刻は、直径約 4 メートルの大時計をとり囲むように配置されており、世界最大のティファニー製のガラスが使用されています。
44 のプラットフォーム、77 本の線路が走るグランド セントラル ターミナルは、今も昔もアメリカ合衆国最大の交通の中心です。地下は 2 階まであり、ニューヨーク周辺やコネチカット州に向かう電車が出ています。お腹が空いたら、ダイニング コンコースへ行きましょう。メイン コンコースの下の階にあるフードコートで、ありとあらゆるお店がそろっています。人気のオイスター バー アンド レストランがあるのもこのフロアです。オイスター バー アンド レストランは、1913 年創業の老舗で、グランド セントラル ターミナルで一番古いお店です。駅の天井には、素晴らしいタイル張りのアーチ型天井が採用されています。スペイン移民の建築家、ラファエル・ガスタヴィーノが設計しました。彼が手がけた建物は 200 棟以上にのぼり、ニューヨーク市のいたる所で目にすることができます。代表的なものには、ニューヨーク大聖堂、エリス島のレジストリー ホールなどがあります。
グランド セントラル ターミナルは、42 丁目通りとパーク アベニューがぶつかったところにあります。地下鉄、鉄道、バスが走る、とても便利な主要ターミナルです。