フィッツロイ庭園は優雅にデザインされた都市中心部の庭園。メルボルンがオーストラリアの “ガーデン シティ” と呼ばれるのは、この庭園があるからだと言っても良いでしょう。26 ヘクタールの広さを誇る園内に、植物がビクトリア朝風に展示され、街の歴史を今に伝えるモニュメントも置かれています。
庭園の現在のレイアウトは、ほぼ、19 世紀の生物学者で探検家で測量士でもあるクレメント ホジキンソンによるものです。ぜひ、静かなこのスペースで、地元の人々に交じり、のんびりと過ごしてみてください。ビジター インフォメーション センターにも寄りましょう。ここでは地域の歴史を学ぶことができます。また、中にはカフェもあるので、コーヒーを飲みながら一休みしましょう。
フィッツロイ庭園の一番の見どころは、並木が続く小道でしょう。歩いていてとても楽しくなる道です。庭園には、ゴウシュウアオギリや、スポッティドガム、モートン ベイ イチジクなど、オーストラリア原産の植物が豊富。また、美しい噴水や彫像がところどころにあり、心地良い空間に仕上がっています。庭園には夜になると小さな訪問者が現れます。たとえば、ポッサムが芝生を食べていたり、ココウモリがこずえを飛び回ったり。
この庭園には、アヒルが住む鑑賞用の湖など、他にもさまざまな見どころがあります。フェアリーズ ツリーも目を引きます。複雑で色鮮やかな彫刻が木の幹に施されています。庭園の中心にあるスカード ツリーも要チェック。斧で切られた木の残りがモニュメントとして立っています。このモニュメントは、このように木を切ってカヌーや武器、投石器などを作ってきた原住民に対する敬意を表しています。
バンド パビリオンへ行きましょう。ここには売店があり、食事をすることができます。すぐ隣りにあるのは、子供たちも喜ぶチューダー ビレッジ。ミニチュアの家などが立つミニチュア村です。77 歳の老人が造ったもので、1948 年のメルボルンを表現しています。
次はコンサバトリー。建物はスパニッシュ ミッション様式で、前面の芝生には美しい花が植えられています。続いて、クックの小屋をのぞいてみましょう。ここは、オーストラリアに初めてたどり着いたイギリス人、ジェームズ クックがかつて暮らした家です。元々あった 18 世紀のヨークシャースタイルの庭が、小屋の裏手に再現されています。
フィッツロイ庭園は、メルボルン中央商業地区から歩いて西へ数分。遠いところからは路面電車が便利です。