ミレトゥスは古代ギリシャでそれなりに重要な地位を占めていたイオニアの都市だった遺跡です。巨大な円形劇場、ビザンチン砦、ローマ式浴場など、壮大な建築物の街です。ミレトゥスには 2,000 年を超える長い歴史があり、歴史上、民族上に大きな影響力を及ぼしています。ヘカタイオスや「科学の父」タレスなど、偉大な哲学者が住んだ街でもあります。
遺跡に近づくうち、最初に目に入るのは、ヘレニズム様式の壮大な円形劇場です。この劇場は紀元前 4 世紀に建設された後、ローマン人の手で改築され、全盛期には 15,000 名の聴衆が詰めかけ、活況を呈しました。最初の 2 列に 4 本の列柱が建っている場所は、皇帝専用席です。高さ 30 m (100 フィート) のアリーナのてっぺんまで上ると、市街を一望の下に眺めることができます。この都市が港を 3 つ持つきりの半島の町だった頃を想像してみてください。
円形劇場の奥には東ローマ帝国時代の要塞があり、いっそう素晴らしい見晴らしを満喫できます。また眼下に目をやると、「ヘロオン」と呼ばれるヘレニズム様式の墓地が目に入ります。ローマ皇帝の妃が建造させたファウスティーナ浴場は見応えがあり、泉水やライオンの彫像などの見どころもあります。
ヘレニズム様式の記念碑は、市内のアゴラ北部に行くと、運動場の遺跡、復元されたイオニア式列柱などを見られます。海を守護するアポロン・デルフィニオス (イルカに変身したアポロン神) の神殿デルフィニオンも必見です。その後は、古代ギリシャの元老院の建物だった「会議場」をぐるりと回りましょう。
ミレトゥスの遺跡は、ボドルムの町から車で 2 時間ほど。レンタカーでボドルムを訪ね、ディディマやプリエネの遺跡と一緒に見学しましょう。ミレトゥスの入口に有料駐車場があります。ボドルムからは業者が計画したツアーが定期的に出発しています。詳細は滞在予定のホテルにお問い合わせください。
この遺跡は年中無休、入場は有料です。市内でこれらの遺跡を回りきるには、2 時間以上を要します。夏場は早めに着くと、午後の酷暑や大規模ツアーグループを避けられます。