周りの風景に溶け込んでいるサン サルバドール デ ラ プンタ要塞 (プンタ要塞)。ハバナ市の紋章に描かれている 3 つの要塞の 1 つです。要塞周辺を歩いてみれば、400 年前のこの辺りの海が、このような頑強な要塞を作る必要があったほど危険な状況であったことが想像できるのではないでしょうか。
プンタ要塞が立つのは、港に注ぐ運河の河口の南側。対岸のモロ要塞とは 300 m 足らずしか離れていません。数世紀の間、この 2 つの要塞間には、夜間の運河での運航を防止するために鎖がかけられていました。海賊や侵略者などを撃退するために、長い間このような鎖と大砲で海を守っていたのです。
運河の河口にそびえる 2 つの要塞は、どちらもジョヴァンニ バッティスタ アントネッリによる設計。1590 ～ 1630 年の間に建設されました。入り口近くには、要塞の建造を命じた人物、フアン デ テヘダ総督の名が刻まれています。敷地内に入ると、広い練兵場に接して兵舎が立っています。要塞を囲む分厚い石の防壁の角には、対になった塔があるのが見えるでしょう。防衛用の大砲にも注目。1700 年代にイギリス艦隊から打ち込まれた砲弾が、今もなお壁の外側に埋まっています。
プンタ要塞は、1800 年代まで防衛上の役割を果たしていましたが、その後は牛小屋など別の用途で使われました。数百年の間に周囲の堀が埋まり、要塞は地面に沈んでいるように見えていました。近年行われた掘削作業では、500 年間の遺物が発見されました。2002 年に大規模な修復が行われ、現在は歴史的建造物として堂々たる姿を見ることができます。
現在、プンタ要塞では、いくつかの部屋が展示室となっています。要塞の歴史や建設について学び、海軍関連の模型や海中で発掘された歴史遺物などを見て回りましょう。2 階部分には、駐屯していた軍隊のために備えられた配管設備が残っています。
サン サルバドール デ ラ プンタ要塞は、オールド ハバナ地区から歩いてすぐ。水曜日から日曜日まで開館しています。入場料が必要です。ハバナを代表する建造物で歴史の重みを感じ、目の前に広がる海の景色を楽しみましょう。
