サンフランシスコ教会はキトに残るフランシスコ会の遺産のひとつ。この印象的な記念建造物は、寺院と複数の礼拝堂、修道院から構成され、キト旧市街の 2 ブロックを占めるほどの規模を誇ります。スペインからやってきた征服者が街を築いて間もなく、教会の基礎が造られました。13 もの回廊、ムーア様式の精巧な建築、そして膨大な数の芸術作品と見どころいっぱいの巨大な歴史的建造物。じっくり時間をかけて見学しましょう。
サンフランシスコ広場から教会を見ると、まず目に留まるのは印象的な 2 本の塔。ルネサンス様式とマニエリスム様式の建築です。広場ははっきりとわかるくらい傾斜していますが、これはインカ帝国時代の神殿の上に教会が築かれたためであることが、考古学者によって確認されています。教会に続く階段の幅が極端に広いことも、不思議に感じられるかもしれません。教会を訪れる人が足元を見ながら上ることで、教会に近づくにつれ自然に頭を下げ、お辞儀するような姿勢になるように設計されたものと言われています。
中へ入ると目を引くのは太陽をモチーフにした装飾。先住民族を教会に通わせるため、インカの伝統的な信仰の表現である太陽が意図的に用いられています。教会内には至るところに、先住民族とカトリック信仰の象徴的な表現を組み合わせたデザインが見られます。きらびやかなムーア様式の天井、バロック様式の礼拝堂、身廊や見上げるように高い黄金の祭壇など、さまざまな様式が独特の雰囲気を生み出しています。
教会は 3,500 点という膨大な芸術作品を所蔵していることでも知られ、一部を鑑賞することができます。街のシンボルとなっている有名なキトの聖母像は 18 世紀の作品。ほかにもキト アート スクールの作品などが展示されています。広い図書室や明るい光に満ちた中庭も見逃せません。地下墓地にも行ってみましょう。今はギフトショップになっていて、地域の芸術作品や工芸品を中心としたお土産品を扱っています。
サンフランシスコ教会があるのはキトの旧市街。目の前はサンフランシスコ広場です。アクセスにはトロリーバスが便利。最寄りの停留所、独立広場から徒歩 5 分です。周辺の通りにある駐車場も利用できます。日曜日にはミサが行われます。