パラシオ デ バジェは、裕福な商人ドン アシスクロ デル バジェ イ ブランコのために建てられた宮殿。1913 ～ 1917 年の間に建設されました。内装にも外観にも凝った装飾が施されています。建物をじっくり鑑賞するのはもちろん、屋上のテラスで一休みするのもおすすめです。
スペイン生まれのデル バジェは、10 代後半にキューバに移住。以来、商人としてめきめきと頭角を現し、シエンフエーゴスの重要な指導者としての役割を果たすようになりました。この建物は、もともとデル バジェの義父がデル バジェとその妻に与えた邸宅でした。デル バジェは、イタリア人建築家のアルフレード コッリを採用して建物を改築しました。しかし、彼が改築後の建物を堪能できたのは、1919 年に 54 歳で亡くなる前の 2 年間だけでした。建物の階段部分では、デル バジェの胸像を見ることができます。
見どころは、全体のデザインに組み込まれた細部の斬新さ。よく見ると、バロック、ゴシック、イタリア風、ロマネスクの各様式が混在しているのがわかるでしょう。鍵穴のような形のアーチが連なっているデザインは、ムーア様式によく見られるものです。緑色の金属で装飾が施されたパステル カラーの外観が、プンタ ゴルダの青い空と海に美しく映えます。
内部には各地から輸入された装飾品がいっぱい。イタリア製のアラバスターの花瓶、メキシコのタラベラ陶器のタイル、ヴェネツィアの陶磁器、ヨーロッパのクリスタル、カララ大理石でできた階段などに目を奪われます。床は装飾性豊かなモザイク画、天井は美しくカーブを描くパネルで飾られ、ステンド グラスの窓から光が差し込みます。住居部分に当たる 1、2 階の部屋を回りながら、美しい装飾の数々をじっくりと鑑賞しましょう。
屋上に上がると、それぞれ異なる形の塔が近くで見られます。バー レストランの隣にあるあずまやでは、時折ミュージシャンが演奏をすることも。かつてデル バジェがセーリングを楽しんだ海を染める夕焼けを見ながら、ディナーやカクテルを楽しみましょう。
パラシオ デ バジェは、シエンフエーゴスの歴史地区から南に約 3 km の場所。ハグア湾に突き出る半島ラ プンタの地区のすぐそばです。パラシオ デ バジェは、午前中から夜まで開館しています。日中は入館料が必要ですが、夕方以降は食事の目的であれば無料で屋上に行くことができます。
