ネボ山は重要な宗教上の地であり、頂上からは聖地や南ヨルダンを見渡せます。聖書には、モーゼが初めて "約束の地イスラエル" を目にした見晴らしの良い場所であると記されており、モーゼが最期を迎えた地と言われています。山の頂きはキリスト教信者にもイスラム教信者にも人気の巡礼地ですが、歴史に興味のある人にとっても見どころが多くあります。
ネボ山の山頂部、シャーガでは、およそ 2 千年前に僧侶によって建設された古い教会の跡が発見されました。現在は、発掘された古い教会の遺構を覆うように、シンプルで近代的なモーゼの記念教会が建てられ、遺構を保護しています。ここではぜひ、非常に美しい姿で保存されているモザイクをご覧ください。1,400 年前のもので、この地で最古のモザイク画です。
また、眺望スポットからは、キリストがはりつけにされた十字架や、聖書からの一節を象徴する真ちゅう製のヘビのモニュメントの方に目を向けてみましょう。ユダの荒野と死海のパノラマのような景色を見渡すことができます。晴れた日には、ベツレヘム、ヘロディウムのヘロデ王の要塞、エルサレム、さらにはエリコまでが見えます。特に、太陽が山の合間に沈んでいく時の風景は胸に迫るものがあります。
教会と、現在行われている発掘活動は、フランシスコ修道会考古学研究所が管理しています。見学は毎日可能です。少額の入場料がかかります。クリスマスには、英語とアラビア語でのミサが行われます。近郊のキルベルト アル ムハヤットという町にもぜひ立ち寄ってみてください。この町には、聖書に記されているネボ村の遺跡があります。
また、足に自信があるなら年に一度開かれる巡礼者マラソンに参加してみては。10 km (6 マイル) を楽しんで走るコースと、死海までの 42 km (26 マイル) を走る本格コースがあります。
ネボ山は、ヨルダンの首都アンマンから南西に 50 km (30 マイル) の位置にあります。アンマンからは直行バスが出ています。または、近郊の町マダバ、あるいは死海でバスを降り、タクシーを使うのもお勧めです。