ルネサンス時代のルッカの城壁や細い通りを、時計塔の上から見下ろしてみましょう。
中世のルッカは、130 以上の塔がそびえてスカイラインを描いていました。塔の多くは裕福な商人の私邸の一部で、防衛の目的のほか、権力と富の象徴として建てられたものでした。しかし現在まで残っているものはごくわずかです。トッレ デッレ オーレ (黄金の塔) とも呼ばれる時計塔は 50 m (164 フィート) の高さがあり、現存する建物の中では最も高い塔です。
この高層建築の歴史は 1390 年にさかのぼりますが、現在の文字盤は 1754 年に、また、ぜんまい仕掛けの装置はその 2 年前に設置されたものです。
保存状態の良い 207 段の木製の階段で頂上まで上がりましょう。階段は幅が狭く勾配も急です。高齢者など上るのが困難と感じる人もいますのでご注意ください。鐘楼へと歩み出る直前に、この古い時計の装置に注目しましょう。現在も手巻きで動いています。特に鐘が鳴る時には、歯車やギアが回る様子を見られるので一見の価値があります。速い速度で大きな音をたてながら回り、鐘が鳴る回数を調節しています。
塔の頂上に出ると、街の全景と、周囲の山々や丘などトスカーナの田園風景を見渡す素晴らしい光景が広がります。また、てっぺんにカシの木々が植えられたグイニージの塔の魅力的な光景も見ることができます。
鐘もよく観察してみましょう。ただ、毎時鐘が鳴り響く時には非常に大きな音がしますので、近くにいるのは避けた方がいいでしょう。
時計塔は、ルッカの主要なショッピングエリアであるフィルンゴ通りにあります。入場料が必要ですが、軍人 (男性および女性)、10 歳未満の子供および 66 歳以上の人には割引があります。グイニージの塔にも入れる共通チケットを購入すれば、入場料はさらに安くなります。
時計塔は 4 月から 10 月まで公開されており、11 月から 3 月は完全に非公開です。