ラントハウス グラーツはルネサンス期の建造物で、16 世紀にスティリア州議会により、段階的にいくつかの区画を購入したり、建築したりする形で築かれました。最も古い一角は、1500 年から 1510 年のもので、シュミードガッセ 5 番地にあります。最大の区画は、イタリア人建築家ドメニコ・デラリオが 1557 年、ヘレンガッセにヴェネチア様式で建造しました。このように由来はバラバラですが、さまざまな建築スタイルが無理なく同居できるように外観には細心の注意が払われていたため、最終的にできあがった複合施設にはしっかりとした統一感があります。
グラーツ旧市街には、アーケード付きギャラリーに囲まれた広大な中庭を持つ家が多数見受けられ、そのどれもがファサード並に興味深いものです。ラントハウスはその典型で、現在、3 つの中庭はコンサート会場や夏のイベント会場として利用されているほか、クリスマス シーズンには、広大な氷の遊び場になります。ラントハウスには、スティリア州の州政府も入っています。建物は毎日一般公開されており、申し込めばツアーもあります。
特に関心を集めているのは、1642 ~ 1645 年に建造された中世の兵器庫「ツォイクハウス」で、トルコ軍の侵攻に備えて、武器、武具の類いが保管されていました。甲冑、剣、火器から軍馬用の鎧まで、32000 点ものコレクションを見て回りましょう。
歴史的建造物ラントハウスの地下室は、「ラントハウス ケラー」というレストランになっており、オーストリア伝統の郷土料理や飲み物が好評です。見学の締めくくりに立ち寄ってみませんか。
ラントハウスとツォイクハウスは、路面電車のハウプトプラッツ駅 (中央広場駅) から 1 ブロック移動し、ヘレンガッセの入り口から入るのがおすすめです。ラントハウスは、夏期 (4 ~ 10 月) は水曜日~月曜日に見学できますが、厳冬期は 1 ~ 2 時間のガイド ツアーの一部として立ち寄るのみとなっています。入場料は、子ども、学生、シニア料金が用意されています。