島の中心部は北部の市街地、旧済州(クチェジュ)と新済州(シンチェジュ)ですが、南部の中文(チュンムン)や西帰浦(ソギポ)、さらに雄大な自然が残る東部・西部にも観光スポットが点在しています。ソウルなどと比べて温暖な気候に恵まれた済州島は、韓国の人々にとって「東洋のハワイ」。特にマリンスポーツが盛んな中文は夏場、余暇を楽しむ大勢の観光客で賑わいます。また、済州島はドラマや映画のロケ地が多いことでも知られ、ファンにとっては撮影スポット巡りもハイライトのひとつになっています。
玄関口の済州国際空港からの移動はバスが安価で便利。特にリムジンバスは主要ホテルの目の前に停車するので、最も利用しやすい交通手段といえるでしょう。観光の際は各市内を網羅する市内バスやタクシーを使うのが一般的ですが、長距離移動の際は、市外バスターミナルを発着する市外バスを選択肢に入れましょう。ほとんどの路線が済州市外バスターミナルから運行されています。1日または半日を観光に費やすなら主要観光地を周遊するシティツアーへの参加、あるいはタクシーをチャーターして回るのもおすすめです。
2010年に世界地質公園の認証を獲得した済州島は世界的に保護する価値がある美しい島です。なかでも温帯・熱帯性の動植物が共存する漢拏山(ハルラサン)国立公園、日の出の絶景スポットとして知られる城山日出峰(ソンサンイルチュルボン)、世界最長の溶岩洞窟である万丈窟(マンジャングル)の3カ所はユネスコ世界自然遺産に登録されています。そのほか、海岸線には自然が造り出した神秘的な岩や地層、ダイナミックに流れ落ちる滝などが見られるので、ゆっくりと島の自然を堪能しましょう。
リゾート地として知られる済州島には、洗練された大型ホテルが揃います。観光やショッピングにも便利な済州市内なら、空港や島内各地へのアクセスも抜群。なかにはゴルフコースやカジノなど、レジャー施設を完備するホテルもあります。滞在型のリゾートライフを楽しみたい人は中文や西帰浦といった南部のエリアへ。プールはもちろん、スパやスポーツ施設、レストランを完備するほか、海水浴場が目前に広がるホテルも見つかります。
韓国本土と海で隔てられた済州島にはその土地ならではの食文化が根付いており、なかでも肉料理の豊富さに驚きます。特に黒豚はブランド豚を輩出するほど、肉質が柔らかく脂が甘いと評判です。美しいサシの入った五枚肉(オギョプサル)を焼き肉でいただきましょう。さらに地鶏、キジ、馬肉など、他ではなかなか食べられない地元グルメも注目です。また、海の幸も楽しめる済州島では、その季節の漁獲によって旬の味覚が楽しめます。アマダイやクエといった高級魚から、スープや塩焼きにして食べるタチウオ、海女漁でとれたアワビやトコブシまで、名物がめじろ押しです。
島の特産品であるみかんやすだち、唐柚子を使ったみやげがおすすめ。生の果実を日本へ持ち込むには検疫検査が必要なので、加工品を持ち帰りましょう。お菓子や酒、お茶に加工されているほか、肌にやさしいコスメにも多用されています。また、トルハルバンと呼ばれる島の守り神を模ったアイテムも個性的。ストラップなどの小物や、食品の容器に採用されています。このほか、柿渋染めの布を使った雑貨や島の火山土を使った黒磁といった、味のある伝統工芸品も見つかります。
アクセス | 成田・関空・中部・福岡から直行便が運航されており、所要時間は約1時間~2時間30分。 |
ビザ | 90日間以内の観光での滞在ならば、査証は不要。パスポートの残存有効期間は入国時に3カ月必要。 |
時差 | ない。サマータイム制度は導入していない。 |
通貨 | 流通通貨はウォン。空港や銀行、街の両替所などで日本円からの両替が可能。クレジットカードの通用度も高い。 |
言語 | 公用語は韓国語。主要ホテルや免税店、観光スポットなどでは日本語が通じることも。 |
シーズン | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
平均最高気温(℃) | 8.3 | 8.9 | 12.2 | 17.3 | 21.3 | 24.7 | 28.8 | 29.5 | 25.6 | 21.1 | 15.8 | 10.9 |
平均最低気温(℃) | 3.0 | 3.1 | 5.6 | 9.8 | 13.9 | 18.2 | 23.0 | 23.8 | 19.7 | 14.5 | 9.4 | 5.0 |
降水量(㎜) | 63.0 | 66.9 | 83.5 | 92.1 | 88.2 | 189.8 | 232.3 | 258.0 | 188.2 | 78.9 | 71.2 | 44.8 |
※WMO(世界気象機関)より