香港のセントラル地区には、イギリスが香港を統治していた 150 年以上もの間に建設された政府の建物や文化施設が多数残されています。その 1 つであるこの建物は、特徴的なギリシャ復興様式で、大都市の輝く摩天楼の中でひと際目立つ存在であり、植民地時代の香港を振り返ることのできる場所です。
にぎやかな中環 (セントラル) や活気ある湾仔 (ワンチャイ) からすぐの場所にありながら、豊かな緑の中で落ち着いた時間を過ごせる香港公園の一角にあるこの建物は、1846 年に建設され、数十年にわたってイギリス軍総司令官邸として使用されていました。第二次世界大戦と日本軍による占領の間に被害を受けましたが、1989 年に修復され、現在は香港芸術館の分館、茶具文物館として生まれ変わりました。
中国産の緑茶からイギリスで飲まれる紅茶まで、この博物館にはたくさんの資料が展示され、アクティビティが催されます。7 世紀唐王朝の年代物の中国茶器から 21 世紀の陶芸家が手掛けた器まで展示品は多岐にわたります。また、季節ごとに異なるお茶が楽しめるワークショップに参加したり、音楽を鑑賞しながらおいしいお茶をいただいたりすることもできます。ワークショップは広東語、普通話、英語で開催されています。スケジュールや言語はホームページでご確認しましょう。
茶具文物館を見学したあとは、香港公園の魅力をさらに発掘しましょう。カースルズ ブロックにある香港ビジュアル アート センターにはぜひ足を運んでください。また、公園の一角には婚姻登記所があるため、茶具文物館をバックに記念撮影をする新郎新婦の姿を見かけることも。朝は早起きして、太極園で地元の人と一緒に太極拳で汗を流すのもおすすめです。滝の前を通って小さな湖まで歩くと、鳥小屋があります。ここには東南アジア原産の鳥が 70 種近く飼育されているので、のぞいてみてください。日曜日には、休日を満喫しに大勢の外国人家政婦が集まり、園内はにぎやかな雰囲気に包まれます。
茶具文物館は入館無料。毎週火曜日と祝日がお休みです。セントラル地区の香港公園内を走るコットンツリー ドライブ沿いに位置し、真っ白い建物が目印です。MTR金鐘 (アドミラリティ) 駅から歩いてすぐのところにあります。